こんばんは!!!



筋トレや日々のNoエスカレーター、Noエレベーターのおかげで、睡眠時間少なくても意外と体力的に持つことを実感しているわたくしです。

いや、そんなことは自慢にならん!

よく寝た方がいい!





はい、今日のグリム童話はこれです!

『忠臣ヨハネス』





あるところに年寄りの王様がいました。

「わしそろそろ死ぬっぽい。忠臣のヨハネス呼んで」


王「ヨハネス、わしもうヤバい。心残りは息子のことだ。あいつを頼む」


ヨハネス「命に代えても守ります」


王「それ聞いて安心したわ。わし死んだら息子に城の中ぜーーんぶ見せてやってくれ。隅から隅までな。ただ、一番奥の部屋はあかん。あそこは黄金の屋根の国の王女の立像がある。あれちょっと見ただけで虜になっちゃって、危険な目に合うだろうからな」

ヨハネス「おけ」





そして王が亡くなり喪が過ぎて、いよいよ王子を案内することになりました。

しかし王子はうすうす気づいていたのです。




(あれ、あの部屋行ってなくない……?)




王子「ちょ、ヨハネス、なんであそこ見せてくれないの?」


ヨハネス「王にダメって言われてんすよ」


王子「俺王子よ?全部知りたい。開けてくれないっていうなら、開けてくれるまでここ動きませーん」


ヨハネス(マジかぁ……。)





さんざん悩んだ挙句、ヨハネスはもう開けるしかないと観念しました。




ヨハネスは王子の身を守るため、せめて自分が先に見てしまうつもりでしたが、王子は爪先立ちでヨハネスの肩越しに像を見てしまいます。

その瞬間王子は気絶して、バタッと倒れます。



ヨハネスは慌てて王子をベッドに連れていき休ませていたら、しばらくして王子が起き上がりました。



王子「ビビった。あの像誰?」

ヨ「黄金の屋根の国の王女っす」

王子「あの王女絶対手に入れる。ヨハネス手伝ってくれよな!」

ヨ「うーん、おけ、とりあえず王女の身の回りは金ピカのものでいっぱいっす。王子の宝物に黄金が5トンあるから、それを色んな物に作り替えてもらって王女に持っていきやしょう」



そして、飾り屋に命令して黄金で色んな品々を作ってもらい、それを船に乗せて黄金の屋根の国へ向かいます。



ヨ「王子、船で待っとってください。もしかしたら王女連れてくるかもしれんから、船綺麗にしといて」



商人に扮したヨハネスは黄金細工をいくつか持って城へ向かいました。



城の広い庭へいくと泉があり、そこに美しい少女がおりました。


少女「あんた商人?それすごいわね!王女絶対気にいるわ、こっち来て」

少女は王女のお腰元でした。



王女「全部買う。船にあるとかいうのも全部欲しい」


ヨハネス「いや、それ持ってくんの時間かかるんで、うち来てもらった方がいいっす」


王女「おけ」




王女が船に乗ったことがわかると、ヨハネスはこっそり船を出航させます。



王女「しまった。黄金に夢中でやられた!騙された!死んだ方がマシ!」


王子「ちょい待ち。俺も商人のフリしてたけど国王なの。今回こんな風にしちゃったのは、初めてあんたの像を見た時に美し過ぎて気絶しちゃったからなの」



王女はこれを聞いて王子の連れ合いになることを決めました。





さて、ここにカラスが3羽現れます。

ヨハネスはカラスの言ってることがわかります。

彼らの言っていたのは、次のようなことでした。



①二人が上陸すると馬が来て、王子が乗ってしまうとそのまま遠くへ走り去り、王女とは二度と会えなくなる。これを防ぐには、馬の鞍についてる銃で馬を殺すしかない。


②二人が城へ入ると、花婿の下着が大皿にのって置いてある。一見金や銀の糸でできているように見えるが、実は硫黄とちゃん(何か不明)でできていて、王子が着ると焼け焦げちまう。これを防ぐには、手袋でその下着を掴んで、火の中に放り込むしかない。


③婚礼が済んで舞踏が始まると、王女は真っ青になって倒れる。その時王女の右の乳房から血を三滴吸い出して吐き出さないと、王女は死んでしまう。




この3つでした。

しかし、このどれについても王子に明かしてしまえば、言った者はたちまち石になってしまうというのです。




ヨハネスは悩みます。

「石になるのキツイな。でも俺忠臣だしな。よし、命に代えても王子を守る」

腹を決めました。



そしてヨハネスは、さきほどの三つの関門を必死にクリアしていきます。

馬が来たら撃ち殺し、下着は燃やし、王女の乳房からは血を三滴抜きました。



しかし、最後の行為だけは王子の理解に及ばず、ヨハネスは死刑を言い渡されてしまいます。





死刑が執行される時、ヨハネスは最期に言いたいことがあると言って王子から許しを得ます。

そして、カラスから聞いた話のこと、その上で王子を守るためにあの3つの行いをしたことを話します。


「ちょ、あかんあかん!赦免赦免ーー!!」

王子はすぐにヨハネスを赦免しました。




しかし、ヨハネスはあの秘密を王子に話してしまったせいで、せっかく助かったのに石になってしまいました。





ショックを受けた王子は石になってしまったヨハネスを自分の部屋に持っていき、いつもいつも嘆き悲しんでおりました。



「あー、どうしてこうなっちゃんだ。ヨハネス元に戻らんかなー、しくしく」




すると石が物を言いました。




石のヨハネス「王子の大事なものをくれたら元に戻れまっせ。」


王子「おー、なんでもやる!金でもなんでもやるぞ」


石ヨ「いや、あんたの手で子供の首をはねてくれ。そしてその血をわたしに塗ってくれたら復活できる」



王子(ガビーーーーン!!!そんなん無理やん!!!)




王子は葛藤します。


彼は今までのヨハネスの忠誠ぶりを思い出し、今回のこの件も、ヨハネスが自分を守るためにしてくれたことだと思い、覚悟を決めました。



王子は刀を抜き、自ら子供の首をはねました。

そして言われた通りその血を石に塗ると、なんとヨハネスが元通りになったではありませんか!




ヨハネス「これは真心に報いねばなりませんな」


そういうとヨハネスは、転がっていた子供の首と胴体をがしっとくっつけてしまい、何事もなかったかのように子供はまた遊び始めました。



これには王子も大喜び!




そこに王女が来るところだったので、子供とヨハネスにはちょっと隠れてもらい、

王女に「ヨハネス復活させるためには子供の首はねるしかないらしい。どう思う?」と聞くと、

「わたしたちが今こうしているのは、あの人の忠義のおかげだから、そうした方がいいと思う!」

と王子と同意見だったので、隠れているヨハネスらを呼び出し、実はこうこうこんなことがあってと、ことの経緯を説明しました。

「助かってよかった」

そうして彼らはいつまでもいつまでも幸せに暮らしたんだとさ。









忠義を尽くしたら返ってきた話でございました。

何かを犠牲にしなければならない時、自分の大事なものを犠牲にできますな?

いくら相手が忠義を尽くしてくれた相手でも、それに報いて自分のものを差し出せますか?



今回のヨハネスは、命をかける腹を決めてましたね。

主人に尽くすと決めた、いわば立場が下の者が上の者に覚悟を決めることはできるかもしれませんが、上の者が下の者に命、またはそれ同様に大事なものをかけられるってのはすごいですね。

素敵な主従関係が見えます。




今までいつくかグリム童話説明書いていましたが、みんなすぐに金銀財宝好きな「もの」をやるとは言いますが、自分の命や家族は絶対にそこに出てこなかったです。

やはりいざとなった時、「もの」は命に代えて守るようなものではないんですね。




僕ヨハネス結構好きなんですけど、彼は見返りを求めていなかったですよね。

大事な恩ある先代の王のために、忠実に命令を遂行にしたにすぎないです。

しかしそれはマシーンのように遂行したのではなく、人間として当然の悩みを何度も乗り越えた上で遂行し切ったものでした。



実生活において命をかけるというのはなかなか現実味はありませんが、見返りを求めず誰かのために小さな善行をしていくことで、いつか大事なところで助けてもらえるような存在になっているかもしれません。

(といっても、人のために尽くす人は、こんなことなど考えずにどんどん手を貸しますけれど)




平清盛の祖父正盛は、誠意の示し方について、「絶対に、私心私欲を挟んではならない。そんなものを付帯させれば、結局は誠意が汚れてしまう。こんなことは相手にすぐ見抜かれる」という処世訓を持っていました。




人は誰しも優しい心を持っているのだから、あーだこーだ考えず、その心をそのまま表に出していけばいいと思います。


人が向かい側から来たら道を譲るのは、ぶつかると自分が痛い思いをするからではなく、相手の邪魔になっていると思うから道を譲るのがほとんどの人ではないでしょうか?

これだってとっても小さいですが、見返りを求めない善行ですよね。



相手から自分へ何かがあることを期待しない。

そうすれば自分が石になってしまうような、どうしようもなくなってしまった時も、誰かがその魔法を解いてくれるかもしれません。



あなたは石になってしまった時、知らぬ間に蹴飛ばされてどこかへ転がっていってしまう人ですか?

それとも、誰かがその魔法を解くために努力をしてもらえる人ですか?

僕は前者です。




はい、というわけで今回の教訓はこれ!


「人は誰かにしたようにされる」




俺もヨハネス欲しい〜!