理想から目を覚ませ | プラクティス

理想から目を覚ませ

「理想」というものは、どんなものであれ、その人の頭の中にしかありません。

同じように、「妄想」というものも、どんなものであれ、その人の頭の中にしかありません。

で、多くの人にとって、「理想」と「妄想」は同じ物です。

ただ、「理想」と言った方が、綺麗に聞こえるので、「妄想」を「理想」と表現するのです。

たとえば、

理想の恋人は、嵐の二宮くん、とか。

理想の恋人は、AKB48の小島さん、とか、です。

この「理想」は「妄想」ですから何を言っても構わないのですが、ポイントは、それは「理想」ではなく「妄想」であると自覚すること、です。

なぜなら、自覚の無い妄想は、病気だから、です。

・妄想

妄想(もうそう:delusion)とは、非合理的かつ訂正不能な思いこみのこと。

妄想を持った本人にはその考えが妄想であるとは認識しない(むしろ病識がない)場合が多い。
精神医学用語であり、根拠が薄弱であるにもかかわらず、確信が異常に強固であるということや、経験、検証、説得によって訂正不能であるということ、内容が非現実的であるということが特徴とされている。日常的な会話でも用いられることもあるがそのときはいかがわしい考えや空想を表し、必ずしも病的な意味合いを含むわけではなく軽い意味で使われている。


現代人は、精神を病んでいる人が沢山いて、

たとえば、自分が好きなだけ食っちゃ寝して、さんざん太っておきながら、

痩せてるモデルを「理想」としたり、痩せてる自分を「妄想」したりします。

このどちらも、根拠がゼロ(現実の自分は太っている)で、妄想すればするほど、病んでいきます。

何故かと言えば、現実にかえってくるのが、より困難になってしまうから、です。


あるいは、自分が好き勝手なことをしておきながら、

お金持ちを「理想」としたり、お金を持っている自分を「妄想」したりします。

このどちらも、根拠がゼロ(金額に見合うほど働いていない)で、妄想すればするほど、病んでいきます。

何故かと言えば、現実にかえってくるのが、より困難になってしまうから、です。


浅田真央ちゃんのように痩せていたり、巨人軍の選手のようにお金を稼いでいたり。

これらは、その裏で、ものすごい汗をかいています。

だから、痩せているし、年俸も高いのです。

これが「現実」です。

「理想」を言う「妄想」している個人の好きとか嫌いとか、やりたいとかやりたくないとかに関係なく、これが「現実」です。


ところが、「理想」という「妄想」をする人たちは、「好きな事をして」とか、「やりたいことをして」などを自分の主観で完結させてしまいます。

たとえば、やりたいことが野球でも、練習はパスするのです。

理由は、練習は、好きなことでも、やりたいことでもない、からだそうです。

「お前は、試合だけしたい中学生かよ」

と情けなくなりますが、こういう大人が多いのが実情です。


そして、いつまで経っても、目が覚めないのです。


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また、机上の空論という「理想」という「妄想」で病んでいる人も沢山います。

高学歴で、物知りでも、病んでいる人は、沢山いるのです。

まず、「理想」を根拠にする男がやたらめったら多いし、そういう人が政治家や評論家や金持ちになっている例も多いので、質が悪いのです。


たとえば、野球を全然できない人でも、サッカーが全然できない人でも、

「あそこに球を打てば良かった」とかは言えます。

簡単です。言うのは簡単です。


しかし、「理想」は「妄想」です。

恋人に振られた時に、「あの時にあぁしておけば」なんて、誰にだって言えるのです。

しかし、言ったところで、何になるでしょう。

「あの時にあぁしておけば」は、根拠になりえないのです。


男にとても多いのですが、もう好い加減、「理想」に自己憐憫しないこと、です。

政治が悪いのは昔から、経済が悪いのは今に始まったことではありません。

自分が駄目なのも、突然、アルツハイマーになったからではないでしょう。

それなのに「落ち込んだり」「嘆いたり」できるのは、「妄想」しすぎです。


政治が、若い頃の彼女のように可愛い時期があって、それが今では…と言うのはわかります。

経済が、若い頃の彼氏のようにカッコいい時期があって、それが今では…と言うのもわかります。

が、現実は、付き合った頃から、太ってたし、ハゲてたでしょう。

それなのに、なぜ太っていることや、ハゲていることを嘆けるのでしょう。


それは何故かと言うと、「理想」という「妄想」を独りよがりにしているから、です。


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自堕落な生活を続けて、

痩せている自分を「理想」として、

それと現実が違うから、落ち込む。


好き勝手な生活を続けて、

お金持ちの自分を「理想」として、

それと現実が違うから、嘆く。


政治や経済の「理想」ニュースに踊らされて、

自分の頭の中の「理想」や「妄想」と、

現実が違うから、憤りを感じる。


一体全体、日本人は何をしているのでしょう。

「理想」は「妄想」です。

みんな好き勝手な「理想」や「妄想」をかきたてますが、それは自分の頭の中の世界です。

ある学生が、「クラスメイトが全員、可愛い子が良い」と「理想」を言って「妄想」することは、現実を冒涜しているのです。

一方、「クラスメイトが全員、カッコいい人が良い」と「理想」を言って「妄想」することは、現実を冒涜しているのです。

仮に、あなたが他人から「もっと可愛ければ良かった」とか、「もっとかっこよければ良かった」とか言われたら、傷つくでしょう。

「理想」、「妄想」するとは、人にそういうことを平気でやっているのと同じなのです。


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