『額田王』ヌカタノオオキミ。
ご存知でしょうか?
皇族であり、万葉集に名を残す歌人の名前であります。
波乱の人生で、小説や、漫画、演劇の題材にもされているとか。
読んだことないけど
大海人皇子と結婚して娘を産みながらも、夫の兄である天智天皇と再婚をする。
そして、天智天皇は額田王をもらいうける代わりに、なんと、自分の娘を4人の嫁がせる。
いったい、なんのトレードの話だ???と、耳を疑う。
『血縁』を重要視した時代なので、親戚や腹違いの兄妹の結婚などは決して珍しくはない。
もちろん、一夫一婦制もない時代。
凄いのはここからだ。
この後、額田王の夫である天智天皇が亡くなると、すぐに元夫、大海人皇子がクーデターをおこし攻めてくる。
歴史で習った壬申の乱だ。
勝ったのは反乱軍。
元夫である大海人皇子は、天武天皇となり即位する。
ちなみに、天武天皇とともに政策を進め、次の天皇となるのは、額田王とのトレードでもらい受けた天智天皇の娘4人の中の一人である持統天皇だ。
さらに言うと、天智天皇の息子には、額田王と天武天皇(大海人皇子)の間に出来た娘を嫁がせている…。
もう、ぐちゃぐちゃの近親だらけの血縁関係…
クーデターの話とも合わせて、天皇である兄とその弟との美女を巡る三角関係などと言われているが、当時の皇族の結婚は『政略』だ。
額田王は絶世の美女だったと言われているが、文献にはそんなくだりは一言も無いらしい。
額田王は、天皇の妻になるほどの身分なのに、詳細が書かれていない。
故意に消された、…と私は思う。
額田王の父は「鏡王」と書かれているが、その祖先はよく分からないらしい。
兄弟など、繋りも全く分からない。
しかし、名前だけを見たら、三種の神器でもある御神鏡を司る一族の直系と思えてくる。
つまりは、祭司にかかわる「巫女」の血筋だ。
天智、天武天皇兄弟は、仏教を強く推進して天皇家を牛耳ってきた蘇我一族を倒している。
それを考えると巫女の血筋の姫と血縁関係を結ぶのは当然とも思える。
その巫女の力とカリスマ性を使い、兄は新しい都を築こうとしていた。
古来、政(まつりごと)は、祀りごとだ。
しかし、近隣諸国との情勢は悪化。
当時の先進国である強大な唐に侵略されかねない状況におかれた。
クーデターを含めて内輪もめを繰り返してきたが、そんな事をしている場合ではない。
天皇の力を強め、国家として近代化を急がなければならない。
何だか、まるで明治政府だな…
天皇の権威付けのため、女性天皇である持統天皇は、自らがアマテラスになり変わろうとした。
それまで天皇は自ら参拝しないしきたりだった伊勢神宮に、唯一参拝した天皇が持統天皇なのである。
(その後も、明治天皇まで誰も参拝していなかったとか…)
持統天皇は、自らの伊勢神宮参拝と同時に、ヤマト古来の神を封じた。
そのため、神がかり、神をおろすお役目の『ヒミコ』は歴史から消えた。
これは、ネット情報を繋ぎ合わせたうえでの私の勝手な妄想だ。
しかし、この時代に「神様」に何が起きたのか。
「神話」の分岐点がここにあるのは、確かなようだ。