読書の秋
小川糸さんの作品
盲目の少女が主人公。初めの方はお母さんに愛されて…と思って読むも、途中から雲行きがあやしくなり、もしやこれは虐待か?!
そのうちお母さんは少女を置いて逃げてしまいます。
どんどんゴミ屋敷化する家。食べ物がなくて困る少女。
そんな少女時代が前半。発見された後、保護されて盲導犬と出会い、本当に信頼できる人たちに恵まれるまでの話が後半の小説。
我が家の近くにもゴミ屋敷があったのですが、なぜそんなことになってしまっているの? 誰か片付けてあげてー!と思いながら前を通り過ぎてました。
ゴミ屋敷に住むなんて理解できんと思っていましたが、何らかのSOSを発している場合もあるのか…と本書を読んで考えさせられました。
そして施設に保護されてからの後半はどんどん前向きになっていき一安心。
信頼できる人に出会えたこと、
友人と呼べる人が出来たこと、
盲導犬と生活できるようになったこと。
全てが「安心して暮らせる」に繋がったのです。
不安なまま暮らすのと安心して暮らすのでは同じ場所でもこんなに感じるものが違うのか! と思う後半でした。
そして同じように存在していたはずの「とわの庭」(要するに家の庭なんですが)を思う存分楽しめるようになったことが嬉しく感じた作品でした。
小川糸さんの丁寧な生活を垣間見ることができる日記でほっこりできました。
「食堂カタツムリ」で感じた食べ物に対する丁寧さを存分に感じられる生活を送っているのですね。
最後の伊勢海老を蒸すエピソードに脳内で「キャァァァ!」と言わせていただきました。せいろの中で暴れる伊勢海老とその蓋を押さえる小川さん
そして本書で登場したラトビアでの経験を元にしたお話も読んでみようと思いました。
読みたい本がどんどん増えちゃうなぁ。