明日の子供たち/幻冬舎


 

とある児童養護施設のお話。
信任の先生が施設で暮らす高校生の前で、施設で働きたいと思った動機を離したら急にその高校生とうまくいかなくなるようになって…というストーリー。

最近有川浩さんの作品、何かの仕事の広報というイメージになっちゃってますよね~~。
作中に登場するように、こうして何かのお仕事ストーリーを読むことで、自分の人生であまり考えたことのない立場の人たちのことを少しでも考えるチャンスになる という意味が深い作品だと思います。
しかし、ちょっときれいごとすぎるのかなぁという印象も受けましたが。
施設で働く職員は非常に忙しいと何度も何度も書いてあるわりに、メインの登場人物にかかりっきりになっていて他の「問題のある子供たち」に対してはどんな対応をしているのか全く分からないところがなんだか現実的じゃないような気がしてしまいました。
読んでいる限り、一人の子供に対してのみ、じっくり対応できる、非常に時間のある職員 という印象を受けました。

児童養護施設を知らない人は、施設の子供たちを「かわいそうな子」として見てしまうけれど、そういう目でみてほしくないんだよ というメッセージは伝わってきました。
また、こうして養護施設で育った子供たちは、未来に大人になり、日本を作っていく一員になるんだよ というメッセージも伝わってきました。