ラストレター/朝日新聞出版

 

さだまさしさんの小説は悲しい感じのものが多いと思っていたのですが、本作、そのイメージが変わりました!
なんだ、この大人のドタバタ感は(笑)

ラジオ局で、深夜の枠の聴取率を上げよう!ということになり、昭和の懐かしい感じの番組を作る話です。
番組が完成するまでは本当にドタバタしていて「一体どうなるの?!」と思いました。
しかし、番組が始まり、その様子を文で読むと、本当に魅力的で、実際にこんなラジオがあったら聞きたいなと思いました。
昭和の懐かしい感じを出すために、ツイッターやメールなどのツールは一切使わず、受け付けるのははがきのみ。そして基本的にそのはがきをコーナーごとに読んでいくという番組なのですが、コーナーが楽しい!!
私はもちろん一番最後に読まれる「ラストレター」は感動的で好きでしたが、それ以上に「深夜の句会」とか、「行く週来る週」を厳かに言うところなどを想像してニヤニヤが止まりませんでした。
深夜の句会のコメントする人たちが「四谷若葉流師範 東亜軟覚斎」「東亜漆黒斎」「東亜寸極斎」というのは、読むたびににやけちゃってにやけちゃって…。

感動して涙する…ということはありませんでしたが、ググッとくるラストレターもよかったです。
登場人物が大人なんだけれど、なんとな~~く学生の文化祭みたいな雰囲気なのも好きでした!