93番目のキミ/文芸社



星星星☆☆

歩行もできるロボットと共に暮らす話。
しかもその家庭用ロボットはいろいろなアプリをダウンロードでき、アプリによってどんどん進化していく。
そして「相棒アプリ」というのをダウンロードすると、ロボットに感情が生まれるという。
感情があるということは、心があるということで、人の行動や思いに対して喜んだり悲しんだりできるのです。

正直、ロボットがこんな風に心をもって行動するようになったら怖いなぁと頭の片隅で思ったので、あまり感情移入できなかったところがありました。
ここに登場した「シロ」のように、本当に大切にされているロボットと、適当に放置されているロボットでは心の育ち方が変わるはずだよなぁ とか、持ち主の愛情を感じられないロボットの心はどうなるの? などと考えるとやっぱり怖いような気が…。
この作品は、そういうことを抜きにして、純粋に持ち主のことを一番に考えてつくしてくれるシロという名のロボットのお話として楽しまないといけないですね。