女中譚/朝日新聞出版


星星星☆☆

作者、中島京子さんの「小さなおうち」が同じように女中の話でとても素敵な雰囲気だったので、そんな感じかな~と想像して読み始めてびっくり!!
180℃違う雰囲気でした。
90歳以上のおばあさんが、秋葉原のメイド喫茶で働く女の子の友だち(?!)に自分の若い頃の話を語るという設定です。
そしておばあさん「すみさん」は若い頃、女中として働いていたのですが…。
その話があまりに必死に生きていて、そしてそんな必死な中でもひそかな楽しみを見つけたり、悪巧みしたりして、なんだか落ち着いた気持ちでは読めませんでしたね~。
この人、次はどんな悪知恵を働かせてしまうんだろうとドキドキ!

すみさんが女中として働いていた時代の表の雰囲気と裏の雰囲気が上手に表現されているように感じました。

本作、もとに女中を題材にした他者の作品があるそうです。
それをトリビュートした作品らしいです。
元の作品を読んだいないのが残念です。