娘と息子の空手の大会を控え、




トム家はまたも、南房総へ向かった。




泣く子も黙る、『血と涙の海トレ』である。


(この穏やかな海が、地獄の特訓の舞台である)



ここでハードなトレーニングに励むことで、




雑念と煩悩を捨て、自分の限界を超えるのだ。




今年は新しいトレーニング方法を取り入れた。




持つだけで腕がやられてしまうという噂の、

『SUPボード』である。


(顔で笑って心で泣いているのである)


(これまた、超重い鉛のような棒を追加だ)


(その鉛の棒で海中の狂暴な魚と闘う)


(わたし、こんな辛い特訓はお手上げだわ!!)


(動画では分かるまいが、海は我々の血と涙で真っ赤であった)


命からがら、恐ろしい海から脱出した我々は、



死んでしまわぬよう、すぐに栄養補給した。


(タラフライの追加注文など絶対にしていない)


(これは恐竜の卵だったと記憶している)

(ピラニアの稚魚も欠かせない)


今思い出しても、恐怖で震えが止まらないほどの海トレであったが、



我々は決して前進を止めない。



次回はお盆の時期に、



『クラゲトレーニング』に向かう予定だ。



もし『一緒に行きたい』という命知らずの勇者がいるならば、



遺書とクラゲ予防クリームを用意して、連絡をくれい。