前回までのあらすじ


私は空手の試合を控えている身にもかかわらず、お盆休みに喰い漁った。



その為、空手会の湯婆婆から名前を奪われ『トム』と名付けられた。



自分の名前を忘れたトムは、空手界から抜け出せなくなってしまったのである。



試合への不安感から、パーソナルジムでのトレーニング後に調子に乗って自主トレをかました。


体脂肪率も、ちょっと数値が下がったからと調子をこいていた。




サンドバッグを蹴った時だった。



『ブチッ!』


トムのふくらはぎは悲鳴を上げた。



『あぁっ!!』


トムは少女のような悲鳴をあげた。



自分のふくらはぎに何が起きたのか、すぐに分かったのである。



試合10日前の、



極上の『ミートグッバイ』である。

(足と頭を冷やしてます)



思い返せばこの夏。


調子に乗っていたのはトムだけでは無かった。

(こんがり焼かれてみたり)

(ひと夏のエッチな思い出を作ろうとしたり)


(本当のブタになりかけたり)


家族皆、調子をこいていたのだ。


ミートグッバイは当然の報いだ。



だが、忘れてはならない。


トムは『ひばり整骨院』のエースだ。


『肉離れ』は専門家である。


1週間でミートグッバイを完治させ、ここにその経過をお見せしたい。

(決して院の宣伝に利用しようとはしていない)


つづく