トムは今週、バタバタと忙しかった。

月初の作業や大阪研修と、充実していた。


しかし、トムは月末に空手の型の大会がある。


(昨年型の大会のトム 早々にトーナメントから姿を消した)


「自分のゴールを決めたら、あとはそこに向けて出来る限りの全てのことをするのだ」

などと普段は整骨院で、偉そうなことを言っているクセに。


空手の型の大会に向け、万全の準備をしていない。

今日は、稽古で空手の先生に怒られないよう仕事中もこっそり型の練習をしていた。

型の大会前だから、恐らく今夜の稽古は「型祭り」だ。

このまま稽古に行っては、「トムさん、もっと練習してください!」と喝を入れられる。

決して昨日、大阪帰りの新幹線でビールばかり飲んでいたとは言えないのだ。

仕事後、また少し型の練習をして道場へ行く。



「失礼します、押忍!」

さわやかなあいさつをして道場に入る。



するとなんと、組手の稽古中であった。

しかも、トム以外全員学生(10代)ガーン

学生たちはツヨイ上に、体力もあるのだ。

トムは淡淡と道着に着替えをしていたが、かなり動揺していた。


そして、若者たちとの組手祭りが始まる。

トムの心肺機能は2分で限界を迎えた。


(蹴りを入れるも)
(ヒザ蹴りを返される)


(突きを入れるも)

(蹴りでしばかれる)

なんと、相手の子は小6である(超強い)。


そんなわけで学生たちに可愛がられたトムは、ボロボロになりながらも、自分を見つめ直す為に床も鏡も磨く。

トムは40代だが、心は泣いているのだ。






喝!などと言っていきがっているクセに、


職場では20代にからかわれ、


道場では10代に弄ばれる。




もう、やみつきであるラブ