トムはラガーマンだった。

トムの母校がこの冬花園に出場し、色々と思い出した。

トムはラグビーに感謝している。 



トムが言うのも何だが、トムは良いラガーマンだったと思う。

背は低いが、足が速く馬力があった。



(トム中2。トム「中2病」真っ盛り)


試合中に腕を骨折しても、そのままプレーを続けてトライを取るほど、気持ちも強かった。

上級生の中にいても、
「トムニボールヲワタセ!」といつも思っていた。


高校2年の時、小さな違和感から腰痛が始まった。

(トム高2  トム既にオッサン)


じっとしていても腰が痛い。

足がシビれる。

ラグビーが原因の「腰椎椎間板ヘルニア」と診断された。


思うように走れず、じっとしていても辛かった。

病院の先生には、絶対安静だと言われた。

練習に出ず、安静にしていても一向に良くならない。

自分が自信を持っていたものを、突然奪われたようでショックだった。

もうラグビーできないな。

トムは、すさみ始めた。

どうせラグビーの練習に行っても無駄だとサボり、悪友とつるみ、悪事を働いた。

その間、どんどん腰痛は悪化した。

その後ラグビーには戻ったが、思うようなプレーが出来る体には戻らなかった。


(左 トム高3  頭にタオルを巻くのが流行った)


腰痛は、手術もしたが一向に痛みは消えない。

会社勤めをして、よりヒドくなった。

色々な病院やカイロプラクティック、鍼や気孔と何十件も巡ったが一向に良くならない。

その時の自分の気持ちは、
「誰かお願いだから治してくれ」だった。

「ヘルニアになり、俺はなんて不幸なんだ」



ところが、そこが大きな間違いだったのだ。



「自分に原因がありヘルニアになった」のだ。


「治すために何でも自分でするぞ」という気持ちが足りなかったのだ。

気持ちだけでなく、自分の生活を律することが一番必要だった。

そこに気付いてからは、改善は早かった。



何か自分に不運なことがあった時、環境や他人のせいにすることは簡単である。

「自分は悪くないのに」と自分を納得させる。


まず、原因が全て自分にあると考える。

それから、解決する為に出来る全てのことをする。

自分は変わるんだと決意し、為すべき事をしっかりと継続する。


トムの腰痛は今や、私生活にほぼ影響ないほどに改善した。


ラグビーと、腰痛に感謝している。

腰痛のお陰で、今の仕事に出会えた。

腰痛のお陰で、同じ辛さの患者さんの気持ちがわかる。

治療や改善の仕方も、アドバイスしやすい。


ラグビーで脱臼、骨折、捻挫、肉離れと体験した全てが、今の仕事に活きている。  

腰痛がトムを成長させてくれたのである。

これはケガだけでなく、全てのことに通じる。


自分に起こる全てのことは自分に原因があり、
自分は不幸だと他のせいにしない。
責任を全部、自分で背負う。

そして改善する為の行動をする。



痛みを抱えて来て下さる患者さんには、それを柔らかく伝えている。

「一緒に治しましょう!」とは、そういう意味なのだ。

自分で変えていこう!

という気が無ければ、「神の手」だって無力で、何も変わることはないと思うトムである。




(トム中3 頭に水着をかぶっている。やはり人は、変わらないかも。。)