かみさんとランチを食べにいったところで、友達の奥さんと何年かぶりに会いました。

 友達のお父さんは亡くなりましたが、私の母と同じアルツハイマーでした。徘徊がひどく、自宅から10キロ以上離れたところで見つかることが何度かありました。

 友達の家は、商売をしていて二十四時間付きっ切りで見ているわけには行きませんでした。部屋に鍵を掛けて置いても、抜け出して行方不明になります。夜、寝るまではいたのに朝になるといない等、みんな大変でした。

 対策として、服に住所を縫い付けたり財布に連絡先を入れておいたりと工夫をしていたので、いつも大変なことにはならずに済みました。

 お父さんは、若い頃カメラ屋さんをしていて、徘徊も写真を撮りに出かけたという理由でした。

 奥さんは、よく親戚や友人から『ぼけた人の話は、うんうんと相槌をうって聞き流せば良いんだ』といわれたそうです。返事は『そうですね、そうすることにします』と言っていたけど、内心は『自分で経験してみろ、毎日色々あってそんなに簡単にできるか』って思っていたそうです。

 私の母もアルツハイマーの初期だと言うと、『大変だね』って一言でしたが、気持ちはすごく伝わりました。

 友人のお父さんがアルツハイマーで大変だったのは、今から25年も前の話です。その頃に比べれば、今は介護保険でディサービスやショートスティーが利用できて、家族の負担は格段に減らすことが出来ます。

 友人の奥様の大変さに比べれば、私たち夫婦の大変さなんかかすんでしまいます。