お客様からの、キャブレターチューニング依頼。

 

 キャブは、ワルボロ製WT-603Bキャブレターで、既にチョークレバーは外されていました。

 WT-603BキャブはG230.G260エンジンの標準キャブレターですが、皆さん調整が上手く採れないとの事で、使っている方は余り見かけません。

 

 搭載エンジンは排気量25.4cc以上とのことなので、ビッグボア化と排気量に対する最適化を行います。

 まずはビッグボアにするため計算サイトにて口径計算を行い、20000rpm対応のベンチューリー14.7mmに決定。

 

 

 最適化に関しては、チェックバルブの有無を如何するかですが、

 

 混合ガソリンが入って行くチェックバルブの穴径を測定すると、1.4mmのドリルは入いるものの、1.5mmのドリル刃は入りません。

 

 チェックバルブを外して中を確認すると、1.5mm径の穴が左右2つ開いています。左側はLニードルを経由してスロージェットへ、右側はHニードルを経由してメインジェットに接続されています。

 簡単に言えば、混合ガソリンがチェックバルブの1.4mmの穴を通って、1.5mm穴の二手に別れる構造。

 どう見ても、チェックバルブの1.4mmの穴は小さ過ぎなので、チェックバルブは取り去る事にしました。

 

 この他に、流量アップの為の加工を行い、まずは完成。

 ベンチュリーは、フライス加工で14.8mmにボアアップ済。メインジェット周辺は、オリジナルを維持。

 

 メタリングニードルのチェック圧は11psiになるようにスプリングにて調整済。

 

 次回走らせる時に、実走テストを行います。