高市総理大臣は、自民・維新両党の幹部と会談し、来週23日に召集される通常国会の早期に衆議院を解散する意向を伝えました。

高市総理大臣は、14日午後5時半ごろから1時間余り、総理大臣官邸で、自民党の鈴木幹事長、日本維新の会の吉村代表、藤田共同代表と会談しました。

この中で高市総理大臣は、来週23日に召集される通常国会の早期に衆議院を解散する意向を伝えました。

その上で連立政権の枠組みが変わったことに対する国民の審判をまだ受けておらず、自民・維新両党の政策合意の内容を進めるためにも国民の信を問いたいという考えを示しました。

そして、来週19日に記者会見を行い解散の理由や、衆議院選挙の日程などについて自身の考えを明らかにすると説明しました。

高市総理大臣としては、強い経済の実現に向けた成長戦略などについて国民の信任を得て政権基盤の安定化を図る狙いがあるものとみられます。

このあと鈴木氏は記者団に対し「党としても準備を急がなければならない。しっかりとした選挙に向けての態勢づくりを加速させていきたい」と述べました。

また吉村氏は「不安定なままの政権でいくより本当に強い経済をつくり、さまざまな支援策を実施していく上でも、国民の信が得られれば、よりスピードを高められる」と述べました。

高市首相「通常国会の早い時期ということで話をした」

高市総理大臣は午後7時半ごろ、総理大臣官邸を出る際に、記者団が「衆議院の解散は通常国会冒頭の来週23日か」と質問したのに対し、「先ほど自民党の鈴木幹事長や日本維新の会の代表の方々が答えた通りだ。通常国会の早い時期ということで話をしたかと思う」と述べました。

自民 鈴木幹事長「衆院解散の意向伝えられた 準備を急ぐ」

自民党の鈴木幹事長は記者団に対し「高市総理大臣から、通常国会において早期に衆議院を解散する意向が伝えられた。高市総理は、自分の考えをしっかりと国民に伝えたいということで、来週19日に記者会見を行うということだった」と述べました。

その上で「きょうの話を受けて党としても準備を急がなければならない。しっかりとした選挙に向けての態勢づくりを加速させていきたい」と述べました。

また、「解散によって新年度予算案が年度内に成立せず、経済に与える影響が大きいという指摘もあるが、昨年末、補正予算を組み、この中で物価高対策などをはじめとして、かなり手厚い措置をしており、その執行を急ぐとともに、新年度に食い込む期間も少なくして、経済に対する影響は実態として出ないようにしていきたい」と述べました。

鈴木幹事長は「高市総理大臣が決断をしたわけであり、自民党と日本維新の会でしっかりとした安定的な議席を得ることができるように全力で頑張っていきたい。自民・維新両党が与党として最低限、過半数を確保しなければならない。しっかり達することができるように頑張りたい」と述べました。

日本維新の会との選挙協力について「基本的にはしない。それぞれ候補者を立てて選挙をするが、あくまで原則であり、調整が必要なところが出てくれば、調整する可能性はある」と述べました。

一方、公明党との関係については「26年間選挙協力をしてきたが、今回は与党という立場から離れた。党内でもいままだ議論をしている最中であり、確定的なことを申し上げられる段階には至っていない」と述べました。

また記者団に対し「高市総理大臣の意向表明に対し、何か申し上げたことはない。解散は総理大臣の専権事項であり、高市総理大臣が決断されたので、その判断に従って選挙に突入する。与党の幹事長として、自民党と与党の勝利のために全力を尽くすことにつきる」と述べました。

鈴木幹事長は「連立政権のパートナーが変わったことに対する国民の審判をまだ受けていない。自民党と日本維新の会の政策合意の内容などをしっかり進めるにあたっても、国民の審判を得る必要がある」と述べました。

また「高市政権になって『責任ある積極財政』や防衛3文書の見直しなど、新しい政策が打ち出されたが、これは前回の選挙で公約には掲げていないものだ。新たな政策を打ち出していることに対して審判を受けることも大切なことだ」と述べました。

維新 吉村代表「連立政権になってまだ信を問うていない」

日本維新の会の吉村代表は総理大臣官邸で記者団に対し「高市総理大臣から、通常国会の早期において解散をするという伝達を受けた。詳細は来週19日に高市総理大臣からその考え方も含めて述べるということだ。これを受けて党の準備を進めていきたい」と述べました。

また、「連立政権になってまだ信を問うていない。自民・維新政権、そして連立合意の内容について信を問いましょうと高市総理大臣と話をした。解散は総理の専権事項なので、高市総理大臣が判断されるのであれば、われわれとして正面から戦っていくと話をした」と述べました。

吉村代表は「政策も含めて、さまざまな議論をしたが、詳細については19日に高市総理大臣から思いも含めて話すということだったので、ゆだねたい」と述べました。

その上で「早期に新年度予算案を成立させるべきだと思っているが、これまでも4月をまたぐこともあったし、暫定予算を組んで対応することもあった。それがいいとは思っていないが、不安定なままの政権でいくより、本当に強い経済をつくり、さまざまな支援策を実施していく上でも、国民にしっかりと信を問い、信を得られれば、よりスピードを高められる」と述べました。

記者団から自民党と競合する選挙区の対応について問われたのに対し、「『ともに戦いましょう』ということを話した。それが新しい連立の形でもあると思っている」と述べました。また、公示や投開票の日程について説明があったのか問われたのに対し、「細かなスケジュール感の話まではなかった」と述べました。

《各党の反応》

立民 安住幹事長「なぜ解散か理解できない理不尽な解散」

立憲民主党の安住幹事長は記者団に対し「新年度予算案の審議をストップさせてまでなぜ、解散するのか理解できない。理不尽な解散だ。支持率が高いからというだけで『一任をよこせ』と言わんばかりの態度は容認できない」と述べました。

その上で「同じ考えを持つ野党と協力し、選挙戦に挑みたい。物価高に苦しむ国民に温かい手を差し伸べるのはわれわれ中道勢力だと選挙で訴えたい」と述べました。

また、公明党との選挙協力について「断続的に協議している。結論はあすぐらいにはお話できると思う」と述べました。

国民 玉木代表「経済対策 物価高騰対策が遅れてしまう」

国民民主党の玉木代表は記者団に対し「戦い抜くのみだ。一番の懸念は新年度予算案の年度内成立が極めて難しくなることで、経済対策、物価高騰対策が遅れてしまう。私たちが大きくなることで古い政治を変えていけるという実績とともに、これからもっと手取りを増やそうということを国民に訴えていきたい」と述べました。

その上で「高市総理大臣には政局よりも政策、特に経済政策を最優先に取り組んでほしかったというのが正直な思いだが、よりよい経済政策を訴え、選挙戦を戦い抜いていきたい」と述べました。

公明 斉藤代表「国民生活をないがしろにした大義なき解散」

公明党の斉藤代表は記者団に対し「国民生活をないがしろにした大義なき解散だ。国民生活や経済にとって大切な新年度予算案が年度内に成立しないことが分かっていながら、あえて解散するのは理解に苦しむ。われわれは正々堂々と戦い抜いていく」と述べました。

また、ほかの党との選挙協力について「立憲民主党とは幹事長レベルでいろいろな案が協議されており、できるだけ早い時期に協力のあり方を決定したい。各党の中道改革の考え方を共有する人たちで一定の塊を作れればいいと思っているので、そうした方向性に合致するかどうかで戦い方を決めたい」と述べました。

参政 神谷代表「国民生活や予算に関してはマイナス面が大きい」

参政党の神谷代表は記者団に対し「急すぎる解散だ。高市総理大臣なりに、足場を固めて国内政治をやっていこうと考えているのだと受け止めている。国民生活や予算に関してはマイナス面が大きいので、それをおしてやるからにはしっかりした論戦をわが党も含め、やらないといけない」と述べました。

その上で「自民党と徹底的に戦うことは変わらないが、高市総理大臣がやりたいことの半分ぐらいは参政党の政策とかぶっている。わが党がやりたいことを高市総理大臣にやってもらえるようなポジションを取っていきたい」と述べました。

れいわ 山本代表「物価高と倒産のさなか 国民生活無視した解散」

れいわ新選組の山本代表は「物価高と倒産のさなか、国民生活を無視して解散をやらかすバカどもを日本から叩き出そう。消費税は廃止だ」とするコメントを発表しました。

共産 小池書記局長「行き詰まり解散だ 厳しい審判下す選挙に」

共産党の小池書記局長は記者会見で「『物価高対策が最優先だ』と言っておきながらそっちのけにする党利党略を通り越した高市総理大臣の『個利個略』だと言わざるを得ない。支持率は高いかもしれないが、一皮めくれば物価対策は打つ手が全くなく、日中関係打開の展望を示すことができないのが政権の実態であり、行き詰まり解散だ。厳しい審判を下す選挙にし、暴走政治に正面から対決している共産党の議席を増やすために全力を挙げていきたい」と述べました。

保守 百田代表「なぜ新年度予算案審議前のタイミングなのか」

日本保守党の百田代表は記者団に対し「なぜ新年度予算案の審議前のこんなタイミングなのか。今回の選挙の大義は何か、何のために国民の信を問うのかというとそんなに大きなテーマはなく、あまりにも露骨な党利党略で『今やれば自民党が勝てるのではないか』というだけだ。政策は特に減税による経済活性化や移民問題について訴えていきたい」と述べました。

社民 福島党首「『自分勝手暴走解散』 強く抗議する」

社民党の福島党首は記者会見で「解散に大義はなく内閣支持率がそこそこ高いうちに選挙をやってしまえという『自分勝手暴走解散』だ。国民生活を全く考えておらず、物価高をどうするのかなどを全部放り出して解散することに強く抗議する。憲法を生かし、税金は軍拡ではなく生活のために使えと訴えていく」と述べました。

みらい 安野党首「なぜ今なのかは疑問 唐突な印象拭えず」

チームみらいの安野党首は記者団に対し「なぜ今なのかは疑問で唐突な印象は拭えず来年度予算案の審議などに一段落つけてからという選択肢もあったと思う。われわれは衆議院選挙がいつあってもいいように準備は進めてきていて戦える素地は整っているので未来をつくるために今何をしなければならないのかをしっかりと訴えていきたい」と述べました。


審議時間が足りず 新年度予算案成立難しくなる可能性

政府は一般会計の総額が122兆円余りの新年度・2026年度予算案について、3月末までの成立を目指していますが、国会での審議時間が足りなくなれば成立が難しくなる可能性があります。

その場合、政府は4月1日以降の国民生活に支障が出ないよう応急的な措置として「暫定予算案」を編成し、国会に提出することになります。

暫定予算には▽年金や生活保護費、▽公務員の給与、▽地方交付税など必要不可欠な経費を計上することになります。

新年度予算案には、例えば、4月から始まる私立高校も含めた高校授業料の無償化や小学校の給食費の負担軽減の費用なども盛り込まれています。

暫定予算案が編成されることになれば、こうした政策への対応も検討されると見られます。

直近で暫定予算が組まれたのは安倍政権だった2015年で、4月1日から11日までの間の必要経費が措置され、一般会計の総額は5兆7000億円余りでした。