すごく面白い映画でした。ベトナム戦争を題材にしたキューブリックの映画ですが、他のベトナム戦争関連映画が戦争の狂気を色濃く映しているのに対して、この映画は反戦の色が強かったです。

様々な掲示板等で有名なハートマン軍曹もやっと見ることができた。半端じゃない迫力でした。前半は訓練の描写、後半で実戦の悲劇を映しているこの映画ですが、訓練シーンが本当にすごかった。凶器として生きるために人格を捨て、個を滅して集に生きる。その中で決して消えない個を持ってしまった人は集からはずれてしまう。現代の子供のようでした。訓練を映すこと自体珍しいことですが、これがあったことで反戦の色がすごく強くなっていると感じました。

後半の実戦は歩兵隊のキャラクターが印象的だった。最終的に人格無きまでに凶器として磨かれた兵士のプライドを覆すことになる敵と戦い、悲惨な状況に直面しても顔色を変えない者、震える者、自分のプライドにすがる者とか、結局は人がやってるのが戦争だってことに気付かされた。そして、何も生み出さない。最後のミッキーはかなりニヒルでした。

そんでPaint It Blackで寒気がしました。

Once Upon A Time In America

最近映画を見始めたので今更かよと言う人も多いでしょうが、見ました。すごくかっこよかった。この時代のアメリカを生きてみたかったと思いました。

舞台は20年~30年代のアメリカニューヨークで、禁酒法の時代です。ロバートデニーロ扮するヌードルズとその仲間がギャングとして成功していく物語を描いたものですが、雰囲気がとても良く再現されています。均質な建物に真っ黒な服に身を包んだ人々の群れ。まさに本で読んだユダヤのゲットー地区が目の前にあるかのようでした。

当時はたくさんの移民が「移民として」アメリカに居住していたため、彼らは社会の底辺に位置していたのでしょう。自分の身を守るためにはアメリカの法律の外で生きるしかなかったため、力こそ全ての社会が形成されていたはずです。所謂アウトローです。その最たるものが、ユダヤ系のギャング、イタリア系マフィアです。そのユダヤ系のギャングが禁酒法をツールに成り上がっていく姿に、頭の良さと寒気がするほどの決断力を感じました。ユダヤ系に支配されている金融業界で働く身としては、一生超えられない壁を見た気がします。

深いというよりはかっこいい映画でしたが、アメリカ黄金期をとてもうまく再現したよい映画だと思います。
自分は所謂外資系金融機関で来年から働くことになっています。まぁ、激務です。

最近の就職活動生の間ではエリートともてはやされるこの業界ですが、自分では全くそうは思いませんけどね。業界はホントに火の車ですよ。UBSやドイチェやメリルが騒がれて、今週はLehmanの話題で持ちきりですね。

今回のLehmanの件は今までに比べるとちょっと重症ですね。ベアスタ並の悲劇を生みそうな予感が。もともと銀行系の投資銀行ではないので、資産がそこまで多くないなかで6000億以上の損失計上ですから、非常に厳しいといわざるを得ないでしょう。サブプライム初期の損失で資本金の1/3がとんだと言われていただけに、今回は大幅に増資してなお厳しいんじゃないかな。B/Sは大変なことになるでしょうね。

ある筋の話では、バークレイズによるUBSの買収が現実味を帯びてるらしいですが、今回の件でLehmanの株価はべらぼうに下がってきているので、どちらを買収にかけるのか、興味深いところです。

しかし、就活ってのも難しいですね。最近は後輩の就活の面倒を見たりしてるんですが、憧れで受ける人がやはり多い。エントリーシートを見ているとすごく思います。本気で将来について考えているわけではないので、こっちがアドバイスすると全部鵜呑みにしてしまうのです。これは本当によくない。本気で考えているなら、絶対に折れることができない場所は必ずあるはずで、それをより強固にするために内定者は口を出すのです。本気なら、内定者の言うことには疑ってかかるべきで、それをしなければいつまで経っても自分が見えてこないんじゃないかな。まぁ何はともあれ同業を目指す学生全員にがんばって欲しいし、皆受かって欲しいから、積極的に質問してくる子には本気でぶつかるようにしています。

みんな、がんばれ!