サイボーグ009黙示編・第7話「スパイ」 | ☆SATOEMA萬画倶楽部☆

サイボーグ009黙示編・第7話「スパイ」

サイボーグ009黙示編・第7話「スパイ」

 

 

2020年8月17日

 

コロンビア共和国 首都ボゴタ

 

 

ジェット・リンクは、カフェで新聞を読んでいた。

 

「アメリカ司法省は、CIA元職員の中国人をスパイ容疑で14日逮捕した・・・とさ。

 

情報漏洩したのは2001年、今頃なんでこんな記事なのかってことだ。

 

これは、あくまで中国への宣戦布告、本当の狙いは、別のところにある。

 

つまり、このポゴタに、新たな中国のスパイが潜り込んでるってわけだ。

 

そいつの居場所を突き止めるのが俺の仕事ってこと。」

 

 

ジェットは、自身の探偵事務所に、久々に来た大仕事に

 

少しばかり、興奮していた。

 

しかも、独自の情報網を駆使し、ある程度、敵の潜伏先も当たりをつけていた。

 

「あとは、浮き(Float)が動くのを待つだけさ。」

 

 

 

 

その時、ジェットの背後から笑い声が聞こえてきた。

 

「気が短いシチリア系アメリカンが、例えを釣り(Fishing)にするのは面白いな。

 

日本(Japan)では、釣りが趣味の人間は気が短いと言うが、その類いか?」

 

ジェットが振り向くと、そこには黒い服の男が立っていた。

 

 

「貴様!誰だ?」

 

振り向くジェット。

 

「フフフ。先に行っておくが黒い幽霊団ではないよ。

 

君たちゼロゼロナンバーサイボーグを神から救うものだ。」

 

黒ずくめの男は得意気に喋る続ける。

 

 

「神様だと・・・。おそらく、俺は、世界で一番神ってやつを信じてねぇぜ。」

 

「・・・だな。」

 

黒い帽子の中から男の顔が見えた。

 

「お前!サンジェルマン?」

 

かつて、サイボーグたちの前に何度も姿を現した時空の旅人。

 

サンジェルマン伯爵。

 

 

 

 

「久しぶりだな。だが、時間が無い。もうすぐここは爆破される。」

 

「何っ!?」

 

「飛べ!!」

 

サンジェルマンの言葉が終わるか、終わらないかのうちに大きな爆発音がポゴタの街に轟いた。

 

 

 

 

なんとか脱出したジェット。

 

サンジェルマン伯爵の姿は見当たらないが

 

そのかわりに、目の前をUFOが横切る。

 

 

「あれは?」

 

ジェットを誘うようにして飛ぶUFO。

 

ジェットは迷わず、そのUFOを追った。

 

 

 

 

つづく