ミュージカル『レ・ミゼラブル』東京凱旋公演、見てきました。
前から応援している奄美出身の歌手・里アンナさんがファンティーヌ役で出演。
プレビュー公演・本公演に続いて、見るのは3回目です。
里アンナさんの見せ場である、ファンティーヌ「夢やぶれて」の独唱、今までで最高!
夢と希望に溢れていた人生が暗転、苦界に身を落とした薄幸の女・ファンティーヌ。その切々とした思いが、突き刺さるように伝わってきました。
映画の『レ・ミゼラブル』では名優アン・ハサウェイが演じたこの役。里アンナさんのファンはそれにちなんで「アンナ・ファンティーヌ」と呼んでいたのですが、見る度に迫真の度を増していきました。
ファンティーヌは物語の流れを作る大切な役。ミュージカルの方でもこれまで多くの名優が演じてきました。ミュージカル通の間ではどうしても比べられることになるので、舞台初挑戦のアンナさんには大きなプレッシャーだったと思いますが、それを乗り越え、「アンナ・ファンティーヌ」を演じきった彼女に、満場の大喝采が送られました。
http://www.youtube.com/v/AvkiPs0wliQ?hl=ja_JP&version=3
(「夢やぶれて」~歌:里アンナさん)
他のメインキャストもまた、今までで最高。
個人的には、アンジョルラスを演じた野島直人さん、ガブローシュを演じた松井月杜(ツキト)君が特に印象に残りました。
明晰な頭脳と卓越した統率力を持ち、理想に燃えて行動するも、力及ばず倒れる青年アンジョルラスの姿を、野島さんは鮮明に演じていました。
松井月杜君は、10歳の子供とは思えない度胸のある演技。ジャベルの見せ場である独唱のすぐ後に登場、「♪何言ってんだ 偉そうに~」と歌い出すのですが、これが最高!
杓子定規なジャベルの「正義」なんか、ストリートチルドレンであるガブローシュにとっては見かけ倒しでちゃんちゃらおかしいものでしかないのですが、それがもう、ストレートに伝わってきて、ツボにはまりました。
http://www.youtube.com/v/dPb_krPUJkk?hl=ja_JP&version=3
(松井月杜君の『レ・ミゼラブル』コメント映像)
~素顔はミニカー好きの男の子のようです。o(^▽^)o
そして、ラストのジャンバルジャンが死ぬシーンではマジ泣き。(; _ ;)
数奇で過酷な運命に翻弄されながらも、自らの心を決して曲げなかったジャンバルジャン。
同じ運命を辿りたいとは思わないけれど、心の持ち方として、あんな風に生きて、死ねたらいいなぁ、と思います。
いつまでも鳴り止まないスタンディングオベーションとともに、自らの心を直視させられる舞台でした。