わたしのからだを抜けていく風、かれはいくつもの街にもいた。
語るどころか何かを考えることもなく。
木陰がそうであるように、足の下の道がそうであるように。

今誰かが夢をみる、白昼に、瞬間に。
それはひとつのリズムの響きのように同じ時にある。

そして私の住んだいくつもの街と、わたしのいたいくつもの時も同じ瞬間にいる。