ベランダのハイビスカスが花のときは終わって、
春の頃の少し透けて見えるような、
しっかりとした明るい緑色の葉を右に左に広げて、
凛と立っている。

たそがれの季節の予感を少しだけ秘めた灰色の空が
わたしたちを覗き込んでいる。

日常のさまざまな物事は、曇った空のようにも見え、
味のあるセピア色の物語のようにも見え、
その中に美しい花や星もある。
同じように救えない悲しみもあるが、
そういうすべてをひっくるめて、
この時にOKを出す。

それから葉をペロリと舐めて
壁の上や、屋根や、明かりのついた部屋のデスクや、
さまざまなところにいる。
月は月で気楽に口笛を吹いているときに。