心から敬愛する人たちがいる。
その人たちは、何の力もなく、何の力も示さない。
ただ、その魂が絹のように上品だ。

わたしは猫のように夜闇に消える、
どこかの屋根かビル影に瞳を感じたら、
私が舌なめずりしている。

きみは違うタイプの猫なので、
ときおりやってきては隣に座る。
そのときは抱きしめて好きにする。
眼光は何回も反射して、おわりのほうでまたね、と言っている。
いつまでもきみは大好きだよ。

皮膚の下を流れる血液が、
かつては火をあがめ、
野蛮な行為に胸を躍らせていたことも、
都市の影で黒い欲望を解き放っていたことも、
まだ十分と記憶として蘇ってはいない、
・・たぶん、それは、まだ器が大きさというものを
持っているからだろう。

指し示すものはよく見るよ。
写真さえ見るかもしれない。
しかし、それではない。

それはさておき、
夜の風に身を任せ
街を見下ろすとき、
夜があるべきように在る。