ポーランド生まれの日本歴史研究者が監修&出版。
1890年に朝鮮に入った日本人(21歳)の
朝鮮紀行ー新聞連載(1894年)本をまとめた現代語訳。
『朝鮮雑記~日本人が見た1894年の李氏朝鮮~』
クリストファー・W・A・スピルマン監修・解説(2016年)
最初読み始めた時、とにかく朝鮮を悪く言ってるので
これって嫌韓本やん~、こういう人は今も昔も同じなんだな!って、読むのやめようかと思った。
日本が「進んだ国」、朝鮮が「遅れた国」とけなす目線。工芸品なども見る価値なし!って。
でも読んでいるうちに、ある程度受け入れられるようになった。
この人、うそは言ってなさそうだ。
ある程度誇張したり、この人のイケイケな目を通しての感想なだけだろう。
例えば、「一日中ぼんやりとタバコをふかして過ごしてる」現象を見て
・生産性のない怠惰な姿と表現するか、
・自然と一体化した仙人のような姿と表現するか、
何に価値観を置くかで変わってくるよね。
現に、朝鮮の美を称賛した日本の芸術家もいたし。
って思いながら読んでたら、本人もそのように書いてた。
p、284
政治的視点で観察すれば、かの国の人が、無意識状態で、昼寝の夢の中にあることは、たいへん憂えるべきものである。しかし、俗事を離れた視点で観察すれば、閑々悠々、まったく桃源郷の人である。
なんだ、よく分かってるじゃん(笑)。
まあやっぱり当時の世界情勢からみると、
こっちにも影響あっちゃうんだから、ちゃんとやってよね~ ていうのが一般的だったかと。
100年前に現地に住んで、朝鮮語を勉強して、朝鮮文化・習俗を日本に紹介し、
そして≪解説≫を読むと、たぶん朝鮮総督府嘱託職員で、
最後は3・1運動の写真を撮ろうとして、誤解され、暴動に巻き込まれ50歳で亡くなったとか・・・。
ものすごくリアルに感じられる。
100年前・・・そんな人がいたんだなと。
少なくとも併合前に庶民と交流してる記録は初めて見た。
面白い本でした。
日韓の文化の違いを双方で可笑しがってるのを紹介してたり、
やってることは今と同じだな~と。
批判はしてるけど、著者からは愛情が感じられました。
再出版を試みた、クリストファー・W・A・スピルマンさんに感謝。
*明日、川西市中央図書館に返却します。興味のある方は是非。
120年前、無名の朝鮮フリーターのブログ風。。。