南桂子展 ミュゼ浜口陽三ヤマサコレクション | あおきゅーのぶらぶらアートブログ。

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展覧会の感想、美術館を巡る旅について、アートを本音でゆる~く綴るブログ。

東京メトロ半蔵門線の水天宮前駅の3番出口を出てすぐ目と鼻の先にある小さな美術館、
ミュゼ浜口陽三ヤマサコレクションにやって来ました。
 

 
こちらミュゼ浜口陽三ヤマサコレクションは銅版画家の浜口陽三の作品を展示する美術館として1998年に開館した美術館。
カラーメゾチント技法という独自の技術による浜口陽三の作品のみならず、
その制作に使用された道具や資料、写真なども展示している美術館。
 
ちなみに美術館の名称にヤマサコレクションとついているのは、浜口陽三は1645年に創業したヤマサ醤油の創業家の生まれであり、
美術館はそのヤマサ醤油が開設しています。
 
 
そんなミュゼ浜口陽三ヤマサコレクションで現在開催されている展覧会が、
“南桂子展 コト、コト。コトリ。”
《会期2019/2/2-4/11》
 

 
今回の展覧会はその浜口陽三の奥さんである南桂子の作品にフォーカスした展覧会です。
 
南桂子さんってだぁれ?うーん
南桂子さん(1911-2004)は富山県出身の版画家。
学生時代から絵画や童話の制作を行っていたが、浜口陽三との出会いをきっかけに銅版画を制作する様になる。
 
優しく繊細でどこか切ないその作品は世界的に高く評価され、ユニセフの発行物にも採用された。
 
今回の展覧会では浜口陽三の銅版画10点程と、南桂子の銅版画約50点を展示する展覧会。
 
美術館の中に入ると先客は5、6名ほど。
 
こちらの美術館の展示室は1階と地下1階に別れておりますが、今回の展覧会では1階の約半分程のスペースに浜口陽三の作品、
1階のもう半分程のスペースと地下1階の展示室全てが南桂子作品という構成で展示されております。
 
さて、今回の展覧会のテーマである南桂子さんの作品ですが、展覧会のタイトルが“コト、コト。コトリ”とある通り、
それぞれの作品の中に色んな種類のが描かれています。
 
カモメだったり、キツツキ、みみずく、そしてあひる、他にも色とりどりの様々な鳥。
その鳥がいるのは森や茂みの中だったり、花々の間、水の上、塔や教会、時計台の横だったり。
 
それらの作品を見ていると、鳥の鳴き声、羽ばたく音、歩く小さな足音、そんな鳥たちの気配を感じられそうな作品ばかり。
 
(※写真撮影NGでしたので展覧会チラシの写真です。)

 

淡く独特な色彩の世界の鳥たちをただゆっくりと眺めていると、何だかリラックス出来ます。

 

作品の一つ一つが非常に手が込んでいまして、見れば見る程引き込まれるのが南桂子さんの作品の特徴です。

それは作風こそ違いますが、同様に小さな画面の中に幻想的な世界を作り上げる浜口陽三さんの作品とも重なります。

 

 

 
久々に来ましたがやっぱりステキな美術館ですね。
小規模な美術館ですが、まだ訪れたことが無い方は是非一度は訪れてみて欲しい美術館です。
 
美術館には浜口陽三の作品は勿論、そのカラーメゾチントの複雑で繊細な制作工程なども
道具や解説から学ぶことも出来るので、規模以上に楽しめる美術館だと思います。

 

 

ちなみに余談ですが、実を言うところ、僕自身本物の鳥はちょっと苦手なんですけどね。

だって、街中で見かける鳥ってカラスとかハトとか妙にデカいし恐いじゃないですか。

なので本物の鳥はスズメくらいがちょうどいいですね。