上野編の最後はこの日一番のお目当て、国立西洋美術館で開催中の“日本スペイン外交関係樹立150周年記念 プラド美術館展 ベラスケスと絵画の栄光”へ!!
《会期 東京展2/24-5/27 兵庫展6/13-10/14》
プラド美術館、アート好きな方にとっては一度は行ってみたい憧れの美術館の一つですが、普段あまり美術館に行かない人にとっては聞き慣れない美術館かもしれません。
でも、プラド美術館って、とっても凄いんです
よく世界三大なんちゃらってあるじゃないですか。
世界三大珍味(トリュフ、キャビア、フォアグラ)とかのあれです。
世の中には世界三大美術館と言われる美術館もございまして、一つは文句無しにパリのルーブル美術館。二つ目以降が諸説あるみたいで実はハッキリとしないのですが、大体言われるのが今回の展覧会でもあるマドリードにあるプラド美術館、ニューヨークのメトロポリタン美術館、サンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館、ウィーンの美術史美術館あたりがよく言われます。
そう、プラド美術館も世界三大美術館の一つなのです!
あと世界三大名画ってのも聞いたことがあると思います。一つは皆さんご存知レオナルド・ダ・ヴィンチが描いた《モナ・リザ》ですね。
《モナ・リザ》1503-1505年 | 77×53cm | 油彩・板 | ルーヴル美術館
二つ目がディエゴ・ベラスケスが描いた《ラス・メニーナス(女官たち)》。今回の展覧会には来ていませんがプラド美術館の所蔵です。
《ラス・メニーナス(女官たち)》(Las Meninas) 1656-57年 318×276cm | 油彩・画布 | プラド美術館(マドリッド)
三つ目がこれまた諸説あるのですが、エル・グレコの《オルガス伯爵の埋葬》。
《オルガス伯爵の埋葬》(Entierro del conde de Orgaz) 1586-1588年 460×360cm | Oil on canvas | サント・トメー聖堂(トレド)
それとレンブラントの《夜警》です。
《夜警》1642年 (The Night Watch (The Militia Company of Captain Frans Banning Cocq)) 363×437cm | 油彩・画布 | アムステルダム国立美術館
そう、プラド美術館は世界三大美術館であり、世界三大名画の一つを所蔵しているすんごい美術館なんです!(←ちなみに僕は夜警以外は見たことがあります。はい、ただの自慢です。すいません。)
さて、今回も前置きが長くなりましたが、今回の展覧会はその偉大なるプラド美術館から偉大なるベラスケスの作品7点を含む貴重なコレクションが来日!
訪れた日は展覧会初日、朝の開館前には美術館の外にかなりの行列が出来てましたが、17時過ぎに訪れたこともあり混雑は緩和され、待ち時間ゼロですんなり展示室へ。
展示室内はそれなり人は入っていたものの、先ほどのブリューゲル展とは異なり、基本的に絵がでかい
なので、全くストレスなく観賞出来ました。
ところで、そのベラスケスさんですが、17世紀のスペインで国王フェリペ4世付の画家となり、以後生涯の大半を宮廷画家として過ごした超エリートで、バロック美術を代表する画家の一人です。
約120点ほどの作品が確認されているそうですが、ずっと宮廷画家だったこともあり、多くの作品が王立の美術館として開館した、プラド美術館の所蔵となっているのです。
そんな偉大なベラスケスさんの作品が7点も来日するのは過去最多なのです
さて、今回の展覧会で気になった作品をいくつかピックアップ。
今回の展覧会のポスターになってるのが《王太子バルタサール・カルロス騎馬像》。通称カルロスくん。
《王太子バルタサール・カルロス騎馬像》 1635年頃 マドリード、プラド美術館蔵
「子供の頃からこんな煌びやかな服を着て、これまた立派な馬に乗っちゃって、生意気だぞ!ロクな大人になれないぞ!」と思っていたらカルロスくん、16歳で死んじゃうんですって・・・かわいそう
これを描いたのも勿論ベラスケス。
他の画家の作品も素晴らしいけど、やはりベラスケス、見る者の魂を揺さぶる程の圧倒的な筆致!!
そりゃ宮廷画家にもなりますわね。
僕が王だったら雇いますもん。
こちらがそのスペイン王、フェリペ4世。カルロスくんのお父さんで、ベラスケスの才能を見抜いた王様。
ディエゴ・ベラスケス《狩猟服姿のフェリペ4世》1632-34年 マドリード、プラド美術館蔵
このスペイン王がベラスケスやルーベンスなどを保護し、ヨーロッパ最高の美術コレクションを築きあげたのです。
即ち、「この王がいたからこそ、今のプラド美術館があるのです!!
他にも、ベラスケスが幼き頃のキリストを描いた《東方三博士の礼拝》
ディエゴ・ベラスケス《東方三博士の礼拝》1619年 マドリード、プラド美術館蔵
マリア「はい!こちらが神の子です!!」
イエス「やあ!!」
って感じが出ててイイネ Σd(゚∀゚)
他にも印象的だった作品が、ルーベンス工房作、《泣く哲学者ヘラクレイトス》
ペーテル・パウル・ルーベンスの工房 《泣く哲学者ヘラクレイトス》 1636-38 年 油彩/カンヴァス
「男ならメソメソするな!!ヽ(゚д゚ヽ)」
さて、今回のプラド展、一つ一つの絵が大きいこともあってか、会場全体がまるで本当のヨーロッパの美術館の中のいる様。
これぞ正に西洋美術の展覧会といった内容なので、普段美術館にあまり行かないって人にも是非展覧会で実際に絵を見て、会場の雰囲気を味わってほしいです。
きっとあまりに感動して哲学者ヘラクレイトスさんみたいに泣いちゃいますよ