この時期、長崎にはなんとなく〝平和〟という文字が空気中に拡散されて、私のように他の地域から訪れる者一人一人に吸い込まれているような感じがします。
市内各地で開かれている「平和」をテーマにした催しのためかもしれません。
「8・9ながさき平和展」を県美術館で見ました。
会場の佇まいは見慣れた風景で、今年も変わらず、あの人もこの人も皆さん出品されているなあと、コロナ禍での地道な取り組みに頭が下がる思いです。
ベテラン陣の作品がやはり目を奪います。ウエダ清人「長崎の祈り」、尾崎正義「8・9ながさきあの日あの時 77年目の回想」、米村昭彦「2022 8・9」など。作品が原点回帰か、見る私の目がそんな作品を選別しているのかー。ズバリ、原爆、被爆を具象、抽象、そして立体で表現した作品が心を打ちます。
心で育まれた思いの種が、的確に表現へと開花した作品群。みなさんの思いが作品を通じて拡散し、世界の人々の心に届くように静かに祈ったのでした。
ところで特報!8月14日、同会場で、長与在住のベテラン美術作家、柿本静子さんの長女、イタリア在住の声楽家、柿本貴子さんが帰省、会場で歌を披露されるということです。10時45分から15分間です。遅れずにぜひ、ご来場を。司会・朗読は梶原元子さんです。
作品写真はウエダ清人さん、米村昭彦さん、尾崎正義さん