私の住む山里の狭い町道沿いで、高齢のご夫婦が雑草刈りをされていました。

 この道沿いの古い石垣はミカン園造成時の擁壁で、今は崩壊が進んでいます。一帯は夏にはイラクサ(カラムシ)が繁茂します。そんな時期に備えての作業のようです。70代の奥様と80代のご主人の高齢ご夫婦、「イラ(毛虫)がわいてねえ」と狭い路肩を歩く人への気遣いが表れます。 

 みかん園を支える高さ2メートル前後の石垣。イラクサは、乾燥した粘土が崩れた穴部分に伸び出し、競って1メートル近くにも大きく育ちます。そして毛虫も増殖。登下校する孫たち小学生の頭上にぶら下がって脅しています。

 この町道、高度成長期から、地主さんらの好意で農道を改善、実現した歴史があります。今は道沿いに隙間なく家々が並んでいますが、ご主人によると「40年、50年前まではここらには3、4軒しか家はなかった」とか。

 午後の遅い時間、お二人、鎌を手に、わずか半時間で高さ約2メートル弱の石垣の雑草を約10メートルにわたり刈り取り、頭上に広がるみかん園の肥料用にと運び上げておられました。お疲れ様です。

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 そして翌日のきのう、高齢ご夫婦に刺激されてか、久しぶりに自宅擁壁下の家庭菜園の草取りをしました。2年間、はびこるに任せていた花の菜を引き抜き、見晴らしをよくしました。昨年はジャガイモでしたが、今年は一昨年同様に畑地にはサツマイモとキュウリを、フェンス沿いにはヒマワリを植えたいのですが、さて間に合うかどうか…。