今日午前、長崎県長与町嬉里谷地区の鎮守の森の神様「越後様」の例祭が里山の麓に建つ祠前でありました。地区自治会の主催で、私も開催のお手伝いをしました。
祠は昨年夏に建て替えたばかりで、鉄パイプのがっしりした骨組みが真新しく、地域の人々の末永い信仰を願う気持ちが伺われます。有志の方々の手造りと聞いてまたびっくりです。
私たち自治会関係者7人と地区内の善男善女15人が参列しました。
木魚のリズムに乗せて、法妙寺の僧による日蓮大菩薩を讃える読経が里山に響きます。禅宗の特徴でしょうか、合間合間に怒声のような声が上がります。
そのうちに参列者も僧に従いお経を上げます。女性が多いのですが、皆さん信仰心あつい方ばかりで見事な唱和ぶりです。僧が参列者の間に入り、一人一人の背に「せん経」を当ててさすります。私の背にも、当てられました。なんだかマッサージを受けたようで気持ちがほぐれました。毒気が取れたのでしょうか。さらに、祠の四隅に塩を撒き、カンカンカンと木剣を打ちます。悪霊退散でしょう。
「越後様」の由来は、郷土史料によると「江戸時代に越後の国の落武者を嬉里谷の勝次郎と為吉の両人が祭っていたが、明治になり地区で祭るようになった」と。
地区の長老の一人は修験僧ではないか、とも言っていました。先日、丸田岳頂上のタンタン岩に登ったのですが、命綱につながれた若い修験僧が半身を岩から落とし、恐怖の目をひん剝いて修行に励む姿を想像させられたことを思うと、修験僧の可能性も面白いと思います。
例祭の日には、永らく三十三番の子供相撲が行われていた、ともあります。
新調なった祠を見るにつけ、この場に若い家族の参列があればな、と思った次第です。これからの課題です。写真は「木剣」を奮う僧侶