孫の登校に付き合っての朝の散歩の帰り道。
緩い上り道をテクテク歩いて、ひと息入れる気持ちで前を見上げると、ミカン園の石垣の擁壁上から山茶花の古木が張り出している。いつもの風景のつもりで一目見たのだが、様子が違う。緑一色の葉に隠れて白い何かが幹の中に留まっているではないか。
近づいて見ると、なんと「サルノコシカケ」。思わずアッと声を上げた。大人の目の高さの幹に直径10センチ余、厚さ1センチ前後のサルノコシカケが、まるで自己主張するように道側に張り出している。白色の見事なこと。マシュマロのようにも見える。
サルノコシカケの宿主となっているこの山茶花は、相当古くからの植栽のようで、太い幹は洞が空き、枝分かれして上に延びている。冬には真っ白い花を雪化粧のように着け、最盛期が過ぎると道端に白い花びらの絨毯を敷いてくれる。
この古木には、茶色から黒色になった古いサルノコシカケが相当以前から鎮座しており、私にとっては、ちょっとしたパワースポット。行き帰りには目で挨拶している。
新顔のサルノコシカケは指で押すとソフトタッチ。幹回り1メートルを越えそうな山茶花の古い幹にしっかりと体を貼り付けている。古いサルノコシカケはその裏側の古木に食い込み、石のような硬さで静かに新顔を眺めているように見える。
漢方では「霊芝」として珍重されるサルノコシカケ。成育過程を見せることなく突然、実りの姿で現れたのも不思議だ。私のコシカケ様は2体になり、いよいよ霊験あらたか。散歩の楽しみが増した。。
写真上の左が新顔のサルノコシカケ、右が旧来のサルノコシカケ。下は山茶花の古木