長崎市立図書館で調べもののため、昭和61年の長崎新聞をめくっていて、長与の春到来を告げる〝絵見せ〟記事が目に止まりました。3月7日付です。「長与・平木場川キラキラ」とあり、子どもたちが笑顔を弾かせて水遊びをしています。なんとも微笑ましい。
まだカラー化前。紙面は白黒ですがナイスショット。思わず見ている私も笑みが浮かびました。笑むだけでなく、写真の場所に行ってみたくなりました。というのは、この日は一足早い春のポカポカ陽気。誘われるように自転車で出かけました。
平木場川は長与川の支流。すぐに分かると思っていたのですが、現場に近づくにつれて支流から分流が注いでおり、そのうえ、無名の橋がいくつもあります。よそ者には迷路。近所の方に伺いながらの〝探検〟です。
県道を諌早に向かって走り、下洗切橋の交差点で平木場・三根の両地区に向かう道に入ります。するとすぐに、洗切川と平木場川が合流して長与川に姿を変える場所に行き当たります。そこから平木場地区に向かって川沿いを上ります。すると今度は三根川?との合流地点に出くわしますが、そこをさらに左折、平木場地区の上流へ自転車を走らせました。
周囲は畑地と民家が立ち並びますが、背後は山林が広がっています。切り開かれて宅地となり、戸建てや集合住宅などが建てられてそう時が経っていないようです。
川はと言うと、中流域のこの辺りは幅2~3メートル。土手から川床までの高さ(深さ)も2メートル前後あるようです。川床は岩がでこぼこ、石ころがたくさん転がっています。水流は細く、場所によってはチョロチョロといった具合。見た目の水質は、はたして「清流」といえるのかどうか。流れの遅い場所ではよく見ると汚れの沈殿か、怪しい藻が川床の石に張り付いています。
川の土手上で畑仕事をしていた男性に聞くと「長崎大水害で堰を造ってから汚れがたまるようになった。人も増えたし…」と話していました。専門家の目から科学的に見てどうなのか、汚れた生活用水を浄化する力が落ちているようです。オイカワ・サワガニは健在なのでしょうか。
それにしても、この川の土手からの深さ見ると、子どもは当然ながら危険です。34年前の子どもの川遊びは今は昔。長与川での遊びは街中の中流域にゾーンが整備されています。みなさん、楽しんでいますか?平木場川中流域
平木場川中流域