今日の朝は冷気が肌を通して身に染みる大変な寒さだった。晩秋に浸る時間がないままに、もう真冬なのだ。さむい、さむい、とつぶやきながら孫の登校に同行した。

 谷を降り、中央道に出て、孫の友達と合流するいつものマンション駐車場で待っていると、片足を引きずりながら現れた。腿をねん挫したという。3年生の遊び盛りで残念な負傷。で、いつもはこの駐車場で私は引き返すのだが、この日は校門まで送ることにした。

 門まで送って帰りの道々、すれ違う登校の子供たちは、うかがうように私の顔を見て、つぶやくように、また、はきはきと「おはようございます」。しかし今日はさすがに声の出方が少ない。冷たすぎるのだろう。

 長与川沿いを歩いているとカモの一団に遭遇した。15羽ほどが、風に波立つ川面にゆらゆらと浮かんでいる。私は咄嗟に、スマホカメラを取り出して構えた。すると、「キー、キー」と1羽が声を発し、おもむろに塊を解きはじめたのだ。見ていると少々大きめのカモが群れの行動を指示しているように見える。2枚だけ撮って、すぐにスマホをポケットに戻して歩き出すと、また群れの塊を作り出した。

 「集まれ!」「解散!」--群れの長(おさ)の種を守る見事な采配ぶり! 寒さを忘れさせ、ゆったり散れ!

思わず笑みが浮かんだ出来事だった。お見事!

 ところで、カモはキーと啼くのかしら?