いつも通る歩道の街路樹ナンキンハゼの木肌にふと、木の若芽らしき枝を見つけました。通行人の顔に当たる枝を落した後でしょうか、樹木の皮の欠けた跡に、いくつも生えているのです。いずれも長さ20センチ前後。まだ生まれたての薄緑色の幼い枝です。

 はてな、これは「ひこばえ」ではないか? ひこばえは春の季語だったと記憶する。

 帰宅して調べると漢字で書くと「蘖」。確かに春の季語です。今は夏の終わりなのに、どうして今頃?

 家庭菜園の菜の花やコスモス、ヒマワリも四季にかかわりなく咲いて散る時節柄、ひこばえも四季の曖昧な今どきに合わせ、頭を出してしまったのでしょうか…。

 それにしても銀杏に似た葉。黄色く色づいた枯葉も銀杏そのものですね。ちぎり取って1分余りでシンナリと萎れてしまいました。柔らかい枝です。