自宅に最も近い公園が荒れ放題に置かれて随分になる。昨日、炎天下、近所のお年を召した男性がのり面部分の草刈りに独り汗を流していた。

 「大変ですね」と声を掛けると、「あまり、ひどいものでね」と手を休めて笑顔を見せた。70代半ばくらいか、一人で大変な労働だ。感謝に尽きる。

 この「氷取(くっとり)東公園」は、私などのように山手中腹に住む者にとって唯一の公園。私も、ひところまではちょくちょく、孫を連れて遊んでいた。ブランコ、滑り台、ジャングルジム、鉄棒と一応、メーン遊具が揃い、広さもあって、中高生らもサッカーの真似事で遊ぶスペースもあった。4、5歳だったか、孫はこのジャングルジムが好きだった。その人気遊具が3年前、ジャングルジム、ブランコ、滑り台と使用禁止になった。そのうちに子供らも足が遠のいたようだ。

 草刈りの男性に聞くと、草の生え放題は、今年の町民一斉清掃がコロナ禍で中止になったのが大きな原因らしい。そして、遊具の使用禁止で人が来なくなり、孫が恐竜ごっこでガオガオと叫びながら走っていた広場は草の原になってしまった。

 管理する町の土木管理課によると、今年度中に遊具を新調して開放するとのこと。町内の各地区の公園はいずこも同じ課題を抱えているようだ。

 ところで、公園の名前にある「氷取(くっとり)」はこの地区の小字。珍しい名称だが、久原巻二先生の著書「長与の地名」によると、由来は判然としないらしい。「おそらく当て字で(中略)クは河あるいは川岸、トリ(トロ)は泥、水の滞る意味の可能性もある」と解説しているが「難読で由来不明」としている。「氷取=くっとり」??? なんとも不思議な字名です。