諌早市高来町の轟の滝で豪雨による大規模な崖崩れが発生。居合わせた母親と子供の2人が犠牲になるという痛ましい大事故が発生した。まさかの甚大ながけ崩れ災害。前日までの激しい雨での崩壊だろうが、予想はできなかったのか。

 諌早市の隣、長与町の中山間地でも、この豪雨で規模は極小だが、農地の擁壁の石垣が崩れて町道の側溝上に転がり落ちていた。数年前にも重い石が道の真ん中に転がり落ち、応急処置として厚いフェンスを立ててもらったのだが…。

 中山間地に住む私たちにとって、雨期になると石垣崩壊が心配になる。みかん農地を宅地に転換して開かれた住宅団地が処々に並び立ち、生活道路も農道に手を加えて転用したもの。しかし、山裾に広がるミカン農園を支える石垣は長年の風雨にさらされ、少しずつ崩壊。道路の側溝は全面あるいは反面が埋まった状態なのだ。夏にはイラクサの繁茂で側溝上は歩けず、交通に不便なうえ通学する小学生たちにとって危険極まりない。

 そして雨季を迎えると、ミカン農園の擁壁となる石垣が連日の豪雨で、ついにゴロリと道路上に転がり落ちてしまうのだ。

 だが、農園の担い手は高齢化で、手入れ作業に限界があるように思える。草取りぐらいなら、現役を引退して時間のある私でも可能で、頼まれれば草刈ボランティアに参加してもよいのだが(ぜひ呼び掛けてほしい)、石垣の補強となると専門性が必要だろう。公的な手助けがなければ作業はできない。

 転がり落ちた石垣の岩石カーブミラーに掛かった岩石

 

 中山間地に広がるミカン農園地帯。小規模ながけ崩れの発生の度に、町民からの要求を受けて応急処置をする、その場しのぎでは追い付かない。この際、関係機関と連携し、公的機関で一斉調査をして応急処置だけでなく、街づくり計画を改め、町内全域の農地を計画的に改造するか徹底補強するべきだろう。