私の住む長与・嬉里地区の鎮守の森の神様「越後様」の祠の建て替えが進み、鉄パイプの骨組みが完成した。土台もコンクリで固め、ガッシリとパイプを支えている。

 これまで、屋根組みが腐り、雨漏りによる「越後菩薩」の石碑への被害が心配され、4月、自治会を通じて建て替えのための寄付の呼び掛けが地区内にあった。

 「越後様」の命名の謎は解けないままだが、町内に多い落ち武者伝説の一つと言われている。では、何年の何の戦なのか? 越後勢とは、何一族か?などと謎が謎を呼び、やはり不思議な地区の神様である。

 鎮守の森の主のように立っていた椋の木をはじめ、椿、椎の木などの大木が切り除かれて、散髪をしたようなサッパリとした森の容貌。

 来月初旬には棟上げ式を予定。コロナ禍のご時勢柄、自治会の監事さんや「越後様を守る会」の会員の方ら数人で、式を執り行うらしい。

 歴史ロマンを掻き立てる「越後様」。がっしりと守りをかためて、新たな装いで面目躍如の姿を見せてほしい。

 建て替えに当たって切り取られた木々も、また齢を重ねて大きく育ち、祠を覆ってくれることだろう。

伐採された椋や椿の大木旧祠 祠の鉄パイプの骨組み