令和2年第1回長与町議会定例会は新型コロナウイルスの感染拡大のため傍聴席入室禁止になった。そのためユーチューブで議会のライブ中継を見ることにした。
その一般質問で、町の行政にかかわる「情報公開の在り方」に疑問が示され、改善を求める質問が出された。
特に議会基本条例で認められているという町側の〝反問権〟の行使がなされないことへの疑問が出され、理由を問いただす質問が関心を引いた。
議員は「正しい議論、より良い議論のために議員の質問に反問してほしい。町側の反問により論点、争点が明確になる」と求めるのだが、町長は「質問が丁寧で論点も明確。必要ない」などと本心とも思えぬ〝歯の浮くような〟答弁。議員は食い下がり何度か再質問するが、なんだかうまくあしらわれているような…。町長ら町幹部の「やり過ごそう」との下心がにじみ出る答弁だった。
現状を変えたくない町側、改革を迫る議員。このようなやりとりは今、始まったことではなかろう。ここを、いかに突破するか町民の代表、議員側には総力戦として粘ってほしかったし、町側には質問を真正面に受け止めて踏み込んだ答弁を聞きたかった。
自ら不勉強を告白する議員も見かける。議員の準備不足を戒めるのは有権者だろうが、町の担当者が本会議場で議員を戒める場面も見てみたい。そこには町職員の普段の職務への誇りと自信がにじみ出るはずだ。
同じ議員の縦覧手続きについての質問は、縦覧に供される資料について「書き写し」は認めるが「コピーなどは認められない」となっていることへの疑問。
町長は「議員個人の求めに対しては所管窓口で提供。しかし未公表の公文書については手続きを」などと答弁、「公文書に該当するので情報公開条例に基づく開示になる」としてコピーを否定していたが、粘る議員の質問に最終的には「コピーは状況をみて所管、各課で判断」との答弁を引き出した。議員は、町の開発計画の図面などを手に入れるため、コピーを要請したが許されず、「コピーなら2分ですむのに」2時間かけて書き写したらしい。大判の地図はそもそも書き写すなど無理な相談。体験に基づく粘り強い質問が印象に残った。
町民は緊張感ある議会を望んでいる。