ある晴れた休日、孫とヒマワリの種まきをした。
8歳になり、徐々に自分の世界が広がり、爺ジとの付き合いも渋りがちになったが、この日は声を掛けると珍しく「うん、いいよ」とついてきた。
ゲームとテレビ漬けの日々。さすがに疲れたのか、外で思いっきり遊びたいのだろう。時々、庭でサッカーの真似事の相手をさせられている。
赤路のフェンス沿いを小さなスコップで浅く掘りながら、ほぼ20センチ間隔で黒い種を5、6粒ずつ蒔き、土を薄く掛けていった。「よいしょ、よいしょ」と一心に取り組む孫の姿は、スマホゲームに夢中の日々を見せつけられている爺にとって、ホッと胸をなでおろす気分。眺めていて自然に笑みが浮かんだ。
ヒマワリの種は昨年夏に咲いた花から採ったもの。昨年秋にも同じフェンス沿いに蒔いたのだが芽が出さなかった。さて、この日の孫の手になる種たちは、どう反応してくれるか。頑張って芽を出し、春から初夏には花開いてほしいのだが…。 種を蒔く孫