フランシスコ・ローマ教皇が来崎された。
お姿を一目見ようと朝早く、JRと路面電車を使って爆心地公園に行った。
公園に入るには入場券が必要だった。やむなく近くの国道沿いに私も並んだ。小旗を持った雨傘や雨合羽姿の人々でいっぱいだ。
新聞掲載の到着時刻は「10時15分」。まだか、まだか…、10時が近ずくと、沿道の人々皆、気持ちが逸り、スマホをかざして撮影準備に入った。私もガラ系携帯を頭の上に翳すようにして車列を捉える準備をした。後ろの御婦人が「画面がいい具合に見れてありがたい」と言っていた。私は苦笑いだ。
沿道の先の方から叫び声が聞こえだした。さあ中央に青空
教皇の腕?
、シャッターチャンスだ!と構えた。私のガラ系は押したシャッターが下りるまで2秒近くかかる。画面に映って押しても手遅れなのだ、とは分かっていても画面に映るのを待ってしまう。で、今回も、ワーッと聞こえてきた嬌声を頼りに早めに押したが早すぎた。で、結局、画面に映るのを待ってしまった。車の窓から出ている法衣の腕を見てシャッターを押してしまったのだ。遅いのは分かっている、分かっているが、どうしても画面を頼りにしてしまう。写っていたのは後に続いた車だった。
でも確かに見た。白い法衣の腕と、揺れる手のひらを。
後ろの御婦人が「撮れましたか」と心配そうに声を掛けて来た。「見事に外れました」と笑い顔で応じた。雨で濡れるにまかした時間だったが、なぜか、すがすがしい気分だった。
徒歩で浦上駅に向かい、都合よく列車に乗れた。
長与駅に11時ごろに着き、西の空を見ると、なんと青空が出ていた。長崎、それも平和公園、県営野球場一帯ではないか? 青空は教皇の、神のしわざ?
長与駅に近い店で早速プリントした写真が添付の2点です。太い腕は、早めにシャッターを押して撮った沿道の男性の腕でした。