7歳の孫が肩をたたいてくれる。

私が肩痛、腰痛に困り、週2回近所の医院に通って治療を受けている姿をみているからだろう。

「肩をたたいて」と頼むとニッと笑って小さなこぶしでトントンとやってくれる。

小さなこぶしなのに意外に効き目があるのだ。そのうえ、リズム感があって調子がいい。

トントン、トントンとしばらく叩いてくれて、「はい、おしまい」と。

「今度はもんでよ」と頼むと、これも小さな手のひらを二つに折って肩をはさんでコリコリとやってくれる。コリコリ、コックン、コックン…。いい調子だ。

きつい顔はせず笑顔でやってくれる。

対照的なのが妻によるマッサージである。私を腹ばいに寝かせ、背中全体を足で踏みつけていく。時には強く、荒く、そして優しく…(はないか)。趣味のテニスで鍛えた脚力。踏まれるたびにウンウンとうめき声が出る。足の勢いの強まるごとに伏した姿勢で考える。ー何か他意があって踏みつけているのでは? しかし気持ちいいのだから不思議である。

孫が私のお願いに素直にこたえてくれるのは、この夏、友達と自分の二つの魚とり網を修理をしてやったこともあるのだろう。二人ともとても喜んでくれた。

数々の機器が登場して、人の手ではなく自動マッサージの全盛時代。

しかし、やっぱり人の手の温もりのあるマッサージがいい。孫の手が一番である。