ルーブル美術館めっちゃ広いし,ルネサンス前からロマン派までの絵がたくさんあります。

ルーブルにはレオナルドの間と呼ばれるスペースがあります。

なかでも『モナ・リサ』は1部屋のなかにドーンと飾られていて,大変混雑しています。

そのモナ・リサの部屋の前の回廊にレオナルドの描いたとされる絵が3点あります。

 

洗礼者聖ヨハネ

聖アンナと聖母子

岩窟の聖母

 

謎多き天才の描いた名作です。

聖ヨハネの顔はレオナルド本人だとか,聖アンナと聖母子の構図に秘められたメッセージだとか無理なポーズをきめてるとか,岩窟の聖母に書かれている子どもはどっちがキリストかとか,見所満載の絵ではあります。

いっぱい解説がでてます。

ぜひ一度それらを読んでみると楽しいですよ。

ただの絵じゃないところに皆さん夢中になられると思います。

 

わたしは美術史家ではないので,その辺の解説は読む専門です。

ただ一旅人として申し上げたいのは,この3枚の絵のもつ『違和感』です。

『違和感』と言ったら怒られるか(笑)

まぁ素人にこぶしを振り下ろすこともなかろう。

 

違和感って思ったのはね,『塗り』かなぁ。

他にも同時代の名画がいっぱい飾ってあるんですよ。

それこそ宗教画ですから,同じような題材で回廊が埋め尽くされています。

でもね,この3枚だけ圧倒的に色が厚いんですよ。

生々しいというか。

つるつる。

 

フスマートという技法で,輪郭がわからないように滑らかに滑らかに描くのが彼の真骨頂なんですけど,なんか滑らかすぎて怖い。

陶器みたいなつるつるさ。

絵のサイズが結構大きいのもあるけど,明らかに他の作家の作品より筆の数が多い。

色が混ざれば混ざるほど暗くなるといいますが,なんか紗がかかったみたいな落ち着きと滑らかさ。

ヨハネの肩がやわらかくて,白くて,ちょっと気持ち悪いくらいエロい(笑)。

どの作品もレオナルドの大好きなふっと笑ったような顔をしている。

(この時代の絵は笑ってないんですよ。特に宗教画は皆『スンッ』としている。)

絵の人たちと目が合わないように描いてあって良かった。

モナ・リサみたいにこっち向いてたら超怖いよ。

魂とられちゃうよ。

レオナルドまじ化け物ですね。

鳥肌が立ちました。

 

モナ・リサに比べてカメラのシャッターを切られる回数はすくないですけど,この3点圧倒的に名画です。

いっぱいある中で存在感がでるってすごい。

パッと見て『あ,レオナルドだ』ってわかるもんね。

ぜひルーブルに行ったらモナ・リサだけでなくこの3点の名画を見てきてください。

絵が上手(笑)