喜 哀楽 | 東京空 - tokyozora -

喜 哀楽

4月22日。

こんにちは。

今日、引っ越しのアルバイトをしてきました。
作業員の人数が多いので、現場には車2台で移動しました。
一方、トラックは足りなかったので1台は運送業のトラックです。
俺はそのトラックに乗ることになった。
運転手の60代男性と大学生のアルバイトの3人で移動します。

引越元は会社というよりは研究所のようなところでした。
現場で社員が持って行く荷物を案内されている間、アルバイトは外で待機していました。
戻ってきて話しを聞くと、リストにあった荷物の10分の1しかないと言われた。
ラッキー。

ということで、1件目は昼前に引っ越しが完了しました。
ゆっくりコンビニ休憩をした後に、昼食を食べるため路駐してラーメン屋に入りました。俺以外。
前日にスーパーで買ったコロッケパンをほお張っていると、トラックの運転手がすぐに戻ってきた。
列ぶのめんどくせーと言って買い置きしていたアンパンを食べ始めた。

この仕事いつからしているんですか?と聞いてみた。
まだ1年くらいだなー、それまでは35年間岩手で働いてたと答えた。
そして岩手で35年していた仕事の話と、単身で東京に来て仕事をしている話を聞いた。

あの、岩手県、地元の方は被害なかったですか?と恐る恐る質問した。
家族や親戚、友達も自宅で暮らしているとのことだった。
そして、東北の地図を広げて地元の周りの被害状況の話を聞いた。
地図で指したのは地元から少し離れた所で、鉄橋が崩れて波に流されたという陸中八木という所。
(検索してみたら写真を掲載しているHPがありました。)
そこでは波に打ち寄せられて人もガレキも1ヶ所に集まっている光景があったそうです。
もう波に流されて人もゴミも一緒だよとトラックの運転手は言っていました。
改めて、被害の痛ましさや遺族の痛み、そしてそこにいる自衛隊や消防隊に感謝しなくてはいけないと思った。


午後の仕事もあまりハードなものではなく、今日はすぐに帰れた。
帰り道、前を歩く女子高生が左に寄せられていった。
あの辺は、、ラッキーキャットだ。
通りすぎるときに左を向くと、ラッキーキャットが女子高生の手に持っていた食べ物に鼻を近づけていた。
もう19時になるのに、まだ外にいた。
結局、キャットは女子高生の何かよく分からない食べ物を食べずに、さっさと歩いていった。
名残惜しそうに女子高生は歩き始めた。
その様子をゆ~っくり歩きながら見ていた。
キャットの後を付いていった。
そういえば歩いているの初めて見るなぁ。
すぐ裏手には遊具もベンチもない小さな広場があった。
キャットに近づいて膝を曲げてじっとしていると、近づいてきた。
あっ目が、黒目が丸い!かわいい。
今日はカメラないのよと全身で伝えた。遊ぼうぜ。
しかし、すぐに興味を失い、また歩き始めた。
よし、小枝を拾い、それに草を結んで、もう一度近づく。

ふさふさふさ
ふさふさふさ

こっちを見た。
歩きだした。
振り返ってこっちを見た。
近づいてきた。

ふさふさふさ

ラッキーキャットが本能的に手を前に出した。
すると、今度は突然走って逃げた。

もう戻って来なかった。
仲良くなるまではまだまだ時間がかかりそうだ。