アメリカ・ペンシルベニア州にあるアレンタウンは製鉄業で栄えた町だった。
1970代に入ると産業の衰退が始まり、経済的な困難に直面した。丁度、日本は重化学工業の時代で、アメリカにどんどん鉄を輸出し、競争力のなくなったアメリカでは鉄工所の閉鎖、失業が増えて行ったのだ。歌詞の内容はまるでアジア諸国に競争で敗れ、衰退していく日本の地方と重なる。
アメリは1980年代半ば以降、ITインフラ投資が進み、経済の主力は金融にシフトして復活に成功する。
アレンタウンの産業は製造業からサービス業、医療、教育の分野にシフトし、人口は当時に比べて25%増えている。
<日本語訳>
そう 僕らはここアレンタウンに住んでいる
工場はみんな閉鎖されていってる
ベスレヘム郊外じゃ暇をもてあまして
求人票に記入をしてみんな一列に並んでる
ああ 親父達は第二次世界大戦でたたかって
週末はジャージー海岸で過ごしたのさ
USOでお袋達と知り合いダンスに誘ってゆっくりと踊ったっていうよ
そして僕らはいまここアレンタウンに住んでいる
でも不安の波が伝わってきたんだ
ここにいるのはだんだんと辛くなってきたのさ…
そう 僕らはここアレンタウンで時が経つのを待ってる
ペンシルヴェニアはまだ見つかってない
先生たちが学校で教えてくれたのは"一生懸命働いて"行儀よくしていればうまくいく"
壁にはそんな学校の卒業写真が飾ってある
でも先生たちは僕らをちっとも助けてはくれなかった
何が本物かも決して教えてくれなかった
僕らにあるのは 鉄にコークスそしてクロム鋼・・・
僕らはここ アレンタウンで待っている
でも地面から石炭はすべて掘り起こされてしまった
労働組合員もみんなこそこそと去っていってしまったんだ
どの子どもたちにもいい未来があったはず
少なくとも親父と同じくらいの地位は手にできたはずさ
でもそこに行くまでに何かが起こった
彼らは僕たちの目の前にアメリカ国旗を投げつけたんだ
そう 僕はここ アレンタウンに住んでいる
この町じゃ未来のある若者を押さえつけておくのはできないよ
でも僕はまだ腰を上げるのはできそうもない
そうして ここアレンタウンで僕らは毎日を生きているんだ…
<原文>
Well we're living here in Allentown
And they're closing all the factories down
Out in Bethlehem they're killing time
Filling out forms
Standing in line
Well our fathers fought
the Second World War
Spent their weekends on the Jersey Shore
Met our mothers in the USO
Asked them to dance
Danced with them slow
And we're living here in Allentown
But the restlessness was handed down
And it's getting very hard to stay
Well we're waiting here in Allentown
For the Pennsylvania we never found
For the promises our teachers gave
If we worked hard
If we behaved
So the graduations hang on the wall
But they never really helped us at all
No they never taught us what was real
Iron and coke
And chromium stee
And we're waiting here in Allentown
But they've taken
all the coal from the ground
And the union people crawled away
Every child had a pretty good shot
To get at least
as far as their old man got
But something happened
on the way to that place
They threw an American flag in our face
Well I'm living here in Allentown
And it's hard to keep a good man down
But I won't be getting up today
And we're living here in Allentown