暴君無能説 | 猫好きのブログ

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資格試験とその応用

 兵庫県知事の斎藤元彦が20m歩かされて激怒したと以前ニュースになっていたが、当時の詳しい状況が明らかになってきた。

 

 知事の用向きは遺跡公園の施設で、遺跡保存目的のために車両禁止になっていたのだ。だが問題はそこではない。用事が終わると知事公用車は施設の入口前に横付けされて、知事を待っていたのだ。

 

 車両進入禁止では? 何と車両禁止の看板は県職員によって撤去されていたのであった。結果として知事はルールを破ったことになる。

 

 斎藤に言わせると部下が勝手にやったことで自分は知らないということになるだろうが、法を守るべき職員がやってしまったことの根源には知事のパワハラがある訳で、言い訳にはならないだろう。

 

 まるで北朝鮮の将軍様のようだ。では独裁者は統治できているかというと、そんなことはない。部下は叱責を恐れて都合の悪い報告を避けるため、トップは判断を誤りやすい。その点だけ見ても恐怖で支配する者は無能なリーダーと変わらない。

 

 まだある。多数の者がトップを恐れても、機嫌を上手く取れる者は必ず存在する。こういう人がトップの代理人化すると、実質的な権力は代理人に移行する。多くの人が不満に思っても、代理人はトップの信任を得ているため、声が届かない。

 

 兵庫県庁では職員たちが疑心暗鬼になっていたとのことだが、これは牛タン倶楽部の連中に繋がる職員がいて、スパイ行為や不満分子の離反工作をしていたからであろう。

 

 こうなると居酒屋で愚痴を言っただけで、それが上に伝わり、目を付けられる。公務員は左遷されると復帰は難しいので、人々は保身に走りやすい。ま、民間企業でも同じではないか?

 

 内部にスパイ網を作れば、5、6%の人数で全体を支配できますよ。被害者面している人の中にはスパイ組織の末端に加わって餌を強請る人もいますからね。係長程度の微職ですら、こういう人にとっては小さな世界の権力者になれるので、嬉しいのですよ。

 

 牛タン倶楽部の連中は、問題が発覚すると謎の体調不良が相次いでいたけど、彼らも知事の権力をバックにしていたため、知事なしでは生きていけない。ま、失脚すると、新しい勢力が台頭するだけだと思いますけどね。今まで主流から外れて不遇だった者はいるでしょうから、こういう人と牛タン倶楽部の連中とは能力に差はないですよ。権力を握れたかどうかの違いに過ぎない。

 

 そういう意味では、役所は人材は豊富ですよ。自殺した局長だって副知事になっていたかもしれなかったですしね。ま、本庁の部長クラスが壊滅しても、下の世代がそこに座れば直ぐに組織は機能しますよ。財政破綻した夕張市役所でも職員の大量退職で主任に過ぎなかった人が事務方NO1の総務課長に抜擢され、庁内改革を続けたという例があった。

 

 詳しい数を忘れたが、財政破綻で部長職の全員、課長職の大半、係長職の3/4が退職していき、組織運営が困難になると言われていたが、下級職員の大抜擢が相次ぎ、正常化に成功している。

 

 それに比べたら、牛タン倶楽部の連中の失脚なんて、蚊に刺された程度ですよ。なのに権力を握ると、自分達が行政を支えていると勘違いしてしまうのですね。