最初、見出しを読んだ時は、意味が分からなかった。何で船乗り、それも機関長という技術者が本社の人事課長になるのかと。
でも記事を読んでいくと納得した。船員の配置計画、人材養成計画を立てるには船のことを熟知していなければならない。機関長というと非常に重要なポジションで通常は船長に次ぐ地位にある。
機関長といっても機関部員一筋とは限らない。勿論、一筋の人もいるが、船舶管理、メンテナンス等、陸上勤務も多いのだ。
ちなみに海上自衛隊では幹部自衛官はキャリアパスの一環として機関長を経験することは一般的だ。元々、全員なれるかどうか別としても幹部候補生たちは将来、艦長職を期待されているので、一通りの部門をそれまでに経験しておく必要がある。
海上自衛官=船乗りのイメージが強いが、実は隊員の2/3は陸上勤務である。彼らは艦船と陸上を行き来してキャリアを積んでいるのである。
それと同じことは民間の船会社でも当てはまるということだ。従って機関長から人事課長になっても全然不思議ではない。
メーカーだって技術者が人事課に配属になったりしているではないか。技術者と言えども総合職で入社している以上、不思議ではないし、管理部門を経験していないと将来、上級幹部の仕事をこなすことは出来ない。
何を言いたいかというと、機関長は機関部一筋と先入観を持っているからこそ、人事課長になるのが不思議だと思っただけのことに過ぎない。