有料庭園の鑑定評価 | 猫好きのブログ

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資格試験とその応用

  評価が難しいと思われる不動産を思いつつままに挙げると

 

・都市型納骨堂

・独立型パチンコ店

・映画館、シネコン

・ゴルフ練習場(室外)

・遊園地、水族館、テーマパーク

・劇場、美術館、博物館

・多層階自走式駐車場(時間決め)

・独立型プール、フィットネスクラブ

・大型病院

・接岸可能な工業用地

・山奥のペンション

・ホテル、温泉旅館

・大型流通センター

・ガソリンスタンド

・トラックターミナル、TC(トランスファーセンター)

・研究施設

・有料庭園

・大型の基幹工場

・結婚式場、葬儀場

 

 未だ未だありそうだが、これまでにしておく。

 

 これらを原価法で計算するのは限界があるし、類似の取引事例も殆どないので取引事例比較法の適用も難しい(過去にあったとしても再現される保証はない)。収益還元法については、売上高から計算可能なものもあるが、収益以外の価値が入っている物件もある。

 

 ここでは有料庭園を取り上げてみよう。分かりやすいものだと京都市内の有名寺院がある。拝観料を大人400~600円ぐらい取っているが、あれは利益よりも、最低限の維持費用を捻出することが目的であろう。清水寺や金閣寺だと年間数億円の拝観料収入になるそうだが、京都に多くの寺社がある以上、知名度が下がると入場者はかなり落ちるであろう。

 

 他方で建物や庭園の維持管理には多額の費用が掛かる。修復となると特別な技術を持つ文化財関係の研究所等に限定されるため、億単位の支出が必要になるかもしれない。また人件費、行事の開催費用も掛かる。そもそも公益性が重視される不動産は収益還元法には馴染まない。

 

 昔、某事務所が国宝級寺社の鑑定評価をしたことがあった。土地、建物だけでなく、仏像から灯篭、門塀まで一切だ。歴史的価値のあるものについては、文化財を専門に評価する機関に依頼したと聞いた。その事務所が支払った報酬は数百万もしたそうだ。赤字になったかもしれないですね。

 

 ではイングリッシュガーデンのような民間庭園はどうだろうか?恐らく、単独で運営すれば赤字であろう。

 

 だからカフェや園芸品の販売をしてバランスを取っているはずだ。庭園では儲からなくても名所として遠くから集客できるので、上手く組み合わせると利益を出せるかもしれない。

 

 ではどう計算すればよいだろうか?

 

 収支予測が必要でしょうね。園芸ってせっせと世話しないとくたびれるのが早いので、手間が凄く掛かる。温室や庭園とは別の畑を使ったりしてね。人件費も掛かるし、売れる花の見極めも必要だ。流行のようなものがありますからね。場合によってはネット通販も考慮すべきかもしれない。ネットで種を送付するなど。

 

 業界分析、自社の分析、競合店調査、市場のニーズ・規模などを調べる必要がありますね。不動産そのものというよりも事業価値で見た方がいいかもしれない。

 

 空きスペースがあれば、景観の価値が加わり、結婚式場或いはレストランウエディングのできる飲食店として使えるかもしれない。