ワーキングホリデーを使って出稼ぎに行く日本人が増えている。
ワーホリは元々、国際交流の制度である。ところが円安で1オーストラリアドルは100円を突破すると話は別だ。現地のバイト料は週に1000ドル。ピークだと2500ドルにもなる。
1オーストラリアドルを100円とすると、最低でも月に40万円以上、ピーク時には100万円以上だ。出稼ぎ日本人が増えるのも当然だ。以前、テレビニュースでもアルバイト(医療職)で月80万円稼ぐ女性が出ていて、毎月20万円以上貯金していると言ってたな。
日本人旅行者の多い国だから、雇って貰いやすかったのだが、円安で旅行者は激減。恐らく円ベースで4割以上上がっていると思いますよ。旅行は必需品でないし、国内旅行という代替商品があるので、当然減るだろう。
その結果、日本人が求職しても英語力がないため、フィリピン人や韓国人に競い負けしているという。朝日新聞デジタルは仕事に就けず現地で困窮した日本人が地元ボランティアによる無償食料配布に卒倒しているという記事を報じている。更に生活苦のあまり、風俗嬢に落ちてしまった日本人女性が多いという。
うーん。悲惨な状況ですね。昔、東南アジアの人達が日本に出稼ぎにきた状況と似ているかもしれない。
昨年のワーホリ許可の発行数は今年の3月までの9か月で14000件に到達し、半分がオーストラリアだという。凄い数ですね。これだけいれば貧困化する人が出てもおかしくない。
それに海外では日本と違って借家権も強くないだろうから、滞納すると簡単に追い出されるかもしれないですしね。アメリカでも1週間や1か月の更新制の賃貸物件があり、家賃が上がる時期には更新の度にどんどん上がるので、ホームレスになりやすいと聞いたことがある。ましてはこれに円安が加わるから、金のない人にとっては地獄ですよ。
昔はオーストラリアにワーホリに行ったというと、ちょっとした自慢になったものだが。英語が出来ると箔が付くんですよ。〇〇さんは3年間もオーストラリアにワーホリで言ってたので、英語で仕事が出来て凄いってね。
ま、そのころは国際交流とか異文化に関心のある人が行っていたので、語学の素地があったり、問題意識も高かった。
でも出稼ぎを目的としたら、当然、ついていけない人が出てしまいますよ。英語が全く分からないだけでも相当大変なのに、それに異文化でのストレスも加わる。海外の人が日本のコンビニで働くようなものじゃないですか?外国人だからといって、お客さんは皆親切にはしないのと一緒。
ま、ワーホリに行った日本人の多くが風俗嬢になってしまう訳ではないが、求人が減る中でワーホリ渡航者が増えれば、需給バランスが崩れて職にあぶれるのは当然のこと。日本人が単純作業とバカにしているような仕事でも英語を覚えられない人はきついですよ。指示されても相手が何言ってるか分からないし、自分の主張すら出来ない訳ですからね。
昔、ワーホリに行った人(ファームステイ:農場労働)がこんなことを言っていた。
最初は周りの人は親切だった。でも英語がはっきり聞き取れるようになると、仕事が遅いやら、付き合いが悪いやらの悪口を言われていることが分かり嫌になったと。
とのこと。外国にはレジャーで行くものですね。日本の職場であるような人間関係は外国でもあるんですよ。日本で上手くやっていけない人は、基本的に外国にいっても同じですよ。