囚人1人当たりの年間費用 | 猫好きのブログ

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資格試験とその応用

 資料によって異なるが、ある資料によると年50万円、別の資料によると年300万円とある。

 

 幅があるので別の角度から見て見よう。

 

 

 

 2014年のデータであるが、矯正局の総経費は2766億円。囚人等の収容者48429人。

 

 囚人等(受刑者、未決拘禁者、死刑確定者等)一人当たりのコストは570万円となる。この中には本省や地方拠点といった矯正施設以外のコストも含むことや囚人の数とは関係なく決まる固定費(建物減価償却費等)もあるので、そのまま採用することは出来ない。ここで言えることは50万円は過少評価だということだ、

 

 

  別の計算をしてみる。法務省職員の総人件費は5190億円、職員数は51317人、よって一人当たりの人件費は1010万円。実感的に妥当だ。人件費には役所負担分の社会保険料等を含むため、給料よりも多くなる。

 

 一人当たりの人件費1010万円に法務省矯正局職員数17500人を乗じると矯正局の人件費総額が分かる。人件費総額は1767.5億円。これを囚人等48429人で割ると囚人等一人当たりの人件費が365万円と出る。

 

 別の資料に矯正総費用の64%が人件費と出ているので、365万円÷0.64=570万円となった。

上の570万円と一致したので、人件費率64%は正しいということだ。

 

 年300万円よりも多いのは費用の範囲の差であろう。300万円は収容関連以外の活動に限定しているということかもしれない。

 

 ここでは300万円説を採用しよう。悪い奴がいればどんどん捕まえて刑務所に放り込めという意見があるが、囚人等を養うのに月25万円も掛かっているのだ。

 

 

 ちなみに一人当たりの生活保護支給額(家賃、医療費などの現物支給も含む)は一人暮らしだと67700円となっている。何と3倍以上ではないか。とはいえ、生活保護の方は福祉事務所の人件費等の経費を含まないので単純比較はできないが、生活保護よりも囚人の方がコストは掛かっている。

 

 刑務所では冷暖房費、食事代、住居費、医療費が無料だし、それに職業訓練だって行ってくれる。勿論、生活環境は良好でないだろうが、運営には相当の税金が注ぎ込まれている。

 

懲役5年のコスト  1500万円

懲役10年のコスト  3000万円

懲役20年のコスト  6000万円

懲役30年のコスト  9000万円(ここから無期懲役)

懲役50年のコスト  1.5億円

懲役60年のコスト  1.8億円

 

 懲役が30年以上になると高齢化により、介護・医療サービスが増えるので、実際はこれよりも掛かるはずだ。