食料が切れたのでスーパーに買い物に行った。
レジが自分の順番になった時に、レジ係が休止中の標識を置いたが、直ぐに客がやって来た。
高齢者の夫婦だ。夫の方が店員を睨みつけて文句を言うと、店員は直ぐに標識をどかした。流石、高齢者にやさしい日本。それにしても奥さんは止めようとしないのも不思議だ。
高度成長期の人口構成を見てみよう。高度経済成長が始まった1960年の高齢者比率(65歳以上)は5%弱に過ぎなかった。今のベトナムやタイのようなものだろう。これだけ高齢者が少ないと福祉にばら撒いても全然負担ではない。しかも現役世代の所得は毎年増えていた。
今はどうだろう。2023年時点では29.1%だ。何と6倍近い比率ではないか。勿論これで打ち止めではなく、2040年には35%になると予想されている。
僅か16年後ですよ。同時に就労比率は57%と予想されている。2023年の就労比率は60.5%なので、意外と下がっていない。このことは60代、70代の就労者が増えることを意味する。
歪な社会ですね。ちなみに東京都知事に立候補した元迷惑系youtuberのへずまりゅうは公約の一つに高齢者の運転免許返納を挙げている。
若者を主役にしたいのでおじいちゃんとおばあちゃんには離れて欲しいですとのこと。運転免許を返納させ、地方に追い出すといっても、地方の方は車社会なのに車なしでどうやって生活するのだろうか?
論理的に矛盾しているしていることが分かるが、このまま行くと尤もな理由を明確に述べて高齢者を排除しようとする政治勢力が出現してくるであろう。
とは言え、高齢者比率が高まれば彼らの政治的主張は益々強くなるので、限られた予算を巡って世代間分裂が起こるかもしれない。姨捨山論が公然と主張されるかもしれないのだ。
他方で高齢者の内部でも経済的に安定した者と非正規がそのまま高齢者に移行した層がはっきりと分離し、内部対立が起こる可能性がある。
前者は社会保障制度を守るために現役世代と手を結び、社会保障依存者を切り捨てに入るかもしれない。