天皇家の先祖の話 | 猫好きのブログ

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 昔(15世紀ごろ、室町時代)、伏見宮貞成(さだふさ)親王という方がいた。

 

 長く元服が出来ず(ということは正式な名前もなく)、ずっと児童の格好のままでようやく元服(成人扱い)したときは40歳になっていた。今でいうと50代後半ぐらいの感覚であろう。

 

 そのとき貞成王と名乗った。その後、親王宣下を受け、伏見宮家を継いだ。伏見宮家は直系皇族が絶えた時に代わりに天皇を出す家柄で貞成親王の第一皇子は後花園天皇となり、貞成親王は天皇の実父ということで上皇の尊号を受けた。この後花園天皇が今の天皇家の直接の先祖に当たる。

 

 この偶然がなければ貞成親王は名無しのままで一生を送り、歴史から忘れられたことであろう。

 

 皇族といっても、親王と王とでは雲泥の差がある。ましては名前も名乗れないとなると大変なことだ。

 

 皇族は皇位継承に関して政治性を有し、権力闘争が影響を及ぼすために、特定の皇族が冷や飯を食わされることがよくあった。例えば現政権の中枢にいる貴族が天皇の代替わりにより政権を追われる危険性を察知すると、将来有望な皇子を潰しにかかったりする。そうすると中枢貴族が失脚しない限り、誰も寄り付かなくなったりする訳だ。

 

 また皇族でも母親の血筋の差で待遇が変わることがあるだろう。昔は子供の数が多いので、全員特別待遇する訳にいかず、僧侶にしたり、他家に養子に出したりしていた。こうして当時の貴族社会から人知れず消えてしまう訳だ。

 

 天皇家は世界で最も長く続いていると言うが、一子相伝という訳ではない。ま、これだけ長く続くこと自体が奇跡だが。