AI風景動画 続編 | 猫好きのブログ

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資格試験とその応用

 昔、キャメローン監督の映画「タイタニック」が流行ったことをご存じだろうか?

 

 あの映画には所々、アニメーションのポリゴンが作られている。港で見送る人々や沈没寸前に船が傾き、客が落下するシーンは大変な迫力だった。

 

 キャメローン監督は無名時代、自ら小道具を作成し、本物そっくりに演出することに長けていたそうだが、今の時代はそんなことしなくてもAIが作り込むことが可能である。

 

 「タイタック」でも間近な所には本物の俳優を、背景やその他大勢のシーンにアニメーションと使い分けていたのだが、AI技術により、全て本物そっくりのアニメーションにすることができるようになってきた。

 

 そう考えると映画業界は大きく変わるであろう。ハリウッド映画の大作では1映画当たり100億円以上の費用を掛けているが、優れた脚本があれば只同然で作れてしまうからだ。

 

 例として日本の時代劇を取ってみよう。町の全景、武士が集まる大広間、街中の往来など、短時間のシーンでも相当な金が掛っている。また当時の着装、化粧、髪結いなど、出演者に対してその都度行わなければならない。

 

 NHK大河ドラマ「平清盛」の時代考証を担当した東大の本郷教授が書いている。NHKスタッフから清盛の葬式のシーンをどうしましょうか、お坊さん役の人を揃えるのは大変なんですよと。

 

 カツラだと不自然に見えてしまうかららしい。権力者の葬儀となると僧侶役が数十人必要になる訳で、1シーンのためのスキンヘッドの役者をそれだけ揃えるとなると天下のNHKでも不可能だったのだ。

 

 ところがAIが映画を作ると、100人でも200人でも本物らしく見えるポリゴンを登場させることが出来る。これは凄いことだ。

 

 では俳優・女優の迫真の演技はどうするか?

 

 このことは既に進んでいる。ハリウッドでは俳優・女優と契約し、「声」「表情」を収集している。彼らの特徴をデジタル化することで、AIのポリゴンに喜怒哀楽の表情と声を付けるという内容だ。ポリゴンも実際の人間を元に作るので、知らない人が見ると俳優・女優本人が演じているように感じる。

 

 一度の契約で数十万円貰えるそうだが、その後、役者の仕事が入らなくなる可能性があり、将来を安売りしたことになる。こうして映像化可能なものは、AIにより置き換えられていくかもしれない。

 

 では実感の伴うものはどうか?

 

 例えば食べ物の味や匂い、ソファーの座り心地など。

 

 これらもAI化できるかもしれない。映画「マトリックス」のように脳に電気信号を送り、本物と錯覚させるというやつだ。

 

 もしそれが可能だと、あなたも芸能人になったり、お金持ちでタワーマンションに住んだり、世界中に旅行にいったり、大谷選手並みの活躍をしたりできるかもしれない。

 

 勿論、脳への刺激なので、現実はカプセルの中に入って、寝たきりのようになっている。現実の世界に戻るにはスイッチを切る必要があるが、現実とバーチャルとのギャップが激しいと、仮想現実に居続ける人が増えていくだろう。