「低学歴社会」の方が「高学歴社会」よりも知識水準が高い | 猫好きのブログ

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資格試験とその応用

 1969年に岩波書店が「講座 哲学」17巻セットという堅い本を出版したが、上限で11万冊、下限で9万冊も売れた。二次募集すると直ぐに3万部以上売れた。

 

 ところが岩波書店が2000年頃に同じ内容の本を出版したが、一巻当たり5000部しか売れなかった。恐らく今だと3000部ぐらいがやっとであろう。

 

 では次に大学進学率を見てみよう。1969年は22.3%、2000年は39.7%、2023年は57.7%と大きく伸びている。母体となる人口は異なることを無視しても、大学生の数は昔よりも増えているはずなのに、堅い専門書が売れなくなっている。

 

 岩波書店の社長は次のように述べている。昔は大学に行きたくても行けない人が沢山いた。そういう人達が大学の専門レベルの本を一生懸命読んでくれたのではないかと。

 

 近年の大学生は経営者のミニチュア版のように経営戦略を語り、PDCAサイクルを回すことに長けた人がいる一方で、小学生よりも基礎学力の低い大学生が少なからずいる。

 

 以前、記事を読んだのだが、小学生レベルの試験を小学6年生グループと大学生グループに分けて実施した結果、大学生グループが敗れたという内容であった。

 

 ま、別に驚くには当たらないだろう。大学によっては中学1年生の英語や数学の復習をしているぐらいなので。

 

 自分が知っている例だと、会計学が専門の大学院生が日商簿記3級に2度落ちて、挫折したということがあった。この人の将来の夢は税理士だそうだ。

 

 父親は中堅企業の役員。お金には不自由していないので、税理士試験の科目免除を取るために大学院に入学した。勿論、面接だけで合格できる大学院だ。その後、本人が税理士になったかは知らない。ま、自分なら無料でもそんな人に頼みたいとは思わないが。